追求42個目 ページ42
声は掠れていたが彼女は今､明らかに口で答えを伝えた｡
グルッペンはそれを見て一度頷くと､足を一歩､一歩と前に出して｡
彼女の前に｡
震える彼女を見つめて､数秒｡
頭に､手を乗せて無造作に撫でた｡
ゆっくり､何度も｡
彼女は何が起こっているのか分らないまま､唯グルッペンを見詰めていた｡
その時､彼女の浅葱色の瞳からは､大きな水の粒が垂れ落ちた｡
飴玉の様に大きな粒が､白いシーツを､次々と濡らしていく｡
幼い子供の様に､小さく嗚咽をつきながら｡
此方からは､グルッペンの表情は読み取れない｡
だけど雰囲気は､何時もの時とはまた違った柔らかな雰囲気で｡
そして､静かにグルッペンは告げた｡
｢宜しい｡お前は今日から我々の仲間だ｡｣
良いな?と問うと､彼女は静かに頷いた｡
つまり今､彼女は"仲間入り"を果たした事になる｡
彼女は今日から､"我々"の一員として､生きていく事となった｡
･ ･ ･ ･
あの後､各自解散となり､彼女は引き続きしんぺいと一緒に医務室に｡
グルッペンとオスマンは各自室へ｡大先生はトントンに引きずられてトントンの部屋へ｡
コネシマ､ひとらん､シャオロンは食堂へと帰って行った｡
因みに､俺とゾムは医務室に残った｡
ゾムの治療がまだ残っていると引き留められたのが第一だが､
後は彼女についての話がしたかったからだ｡
肝心の彼女は泣き疲れたのか､眠ってしまっているが特に問題は無いだろう｡
しんぺい神が彼女を布団に寝かせて､掛布団をかけてやる｡
ゾムはそれを椅子に座りながら､静かに見つめていた｡
俺もその隣で､椅子に腰かけている訳なんだけど｡
｢んん､まぁこれで一件落着?なんかねぇ｣
そう言って､棚の上にある応急箱に手を伸ばすしんぺい神｡
対してゾムは､自身の座っている椅子を回しながら､一人呟く様にして言った｡
｢結局､此奴に仲間って居るんか分かってないよなぁ｣
それを聞いたしんぺい神は､動きを止めて
少し考える様にして此方を向いた｡
｢……確かに､｣
それって不味くない?何て､此方を向いてくるしんぺい神｡
ん､あれ?言うてなかったけ､そう言えば｡
｢確信とまではいけてないんやけど､仲間との繋がりは無さそうみたいやで?｣
トントンが武器回収した時に､インカムみたいなのも無かったらしいし
そもそも仲間がおったら､あんな行動でんちゃうんかな?
と言ったら､軽く納得された｡
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代口 - eiさん» 見直しました所､誤字の箇所確認致しました｡訂正させて頂きます､大事な場面での誤字は恥でしかない…ご指摘有難う御座います!今後も追求者と我々だ､を宜しくお願い致します｡ (2020年3月2日 23時) (
レス) id: de8de63fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ei - グッルペンになってるところありますよｗ (2020年3月1日 20時) (レス) id: 9d4306ee6c (このIDを非表示/違反報告)
代口 - ゆきさん» 親戚の出番一度のみなので､時間ある時にまた絡みを書きたいなと思っております…ｼｭｰ… (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9e6428ffc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 親戚wwクリチャン (2018年9月4日 22時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
代口 - 考慮させて頂きます｡貴重な意見有難う御座いました｡今後の更新からはなるべくわかりやすく書いていく様に意識させて頂きます｡長文失礼致しました｡ (2017年10月29日 17時) (レス) id: 2ab2960f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：代口 | 作成日時：2017年1月4日 22時
