追求21個目 ページ21
書類を纏め終えて､一息ついて居た所｡
突然､後ろの方で声がした｡
最初は只の寝言だと思っていたけど､何やら少し違う様子｡
少し心配になって近くに寄ってみると､どうやら魘されてるらしい｡
眉間に皺が寄っていて､何度も苦しそうに声を上げた｡
｢ん……っ｣
顔色があまりにも悪いから､少し近づいて様子を視ようとした瞬間､
手が急に伸びてきた｡
その手は空を掴んでは､離して､掴んで､離して｡
まるで､何かを求めて居る様な様子だった｡
｢ぐ､……ｯ!｣
｢うぉわ!?危なっ……て､Aちゃん!?｣
そう声を発した彼女の綺麗な浅葱色の瞳からは､絶え間なく涙が溢れ続けていて｡
少し虚ろな目で､何かを只管に追い求めていた｡
何度か声をかけてみるも無反応｡
どうやら意識が朦朧としている様だ｡
一体彼女に何が､
｢ぐん､そ｣
確かに彼女は今､そう発した｡
途切れ途切れではあったものの､彼女は確実に今"軍曹"と発した｡
"軍曹"と言えば､此処我々の中にも同名の人物が居る｡
否､正確には"居た"｡
あくまでも此れが彼女の言っている人物と同じである場合､だが｡
もしかすれば､彼についての話が聞けるかもしれない｡
未だ尚､必死に手を伸ばし続ける彼女｡
何を考えたのか､突然体を起こそうとし始めた｡
しかし､痛みに耐えられなかったのか､顔を顰めて傷の辺りを押さえた｡
｢ぁ､まだ動いたら駄目だから……!｣
そんな言葉にも耳を傾けず､何もない場所に向かって手を伸ばす｡
彼女があまりにも苦しそうに､悲しそうにするもんだから｡
もう､見てられんわ｡
｢Aちゃん､目を覚ましてや!!そんで一度落ち着き!!｣
少し大きめの声でそう言うと､彼女の体が一瞬震えた｡
驚いたのだろう､仕方ないとはいえ少し､心臓に悪かったかもな｡
｢……大丈夫か?急に叫んでごめんな｡取り合えず､その涙拭いて深呼吸しよか､な?｣
俺がそう言うて背中を撫でてやると､まだ頭が混乱しているのか
自分の手を何度も見て､苦しそうに息をしていた｡
｢ほら､深呼吸､深呼吸｡すぅー……はぁー……｣
一緒になってやってやると､彼女は眼を見開いたまま､
取り敢えず同じ様に深呼吸を繰返していた｡
その間も､自分の手を見つめていて｡
彼女の浅葱色の瞳からは､絶えず涙が溢れていて｡
その時の彼女の瞳は､どうにも寂しそうで､見てられなかった｡
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代口 - eiさん» 見直しました所､誤字の箇所確認致しました｡訂正させて頂きます､大事な場面での誤字は恥でしかない…ご指摘有難う御座います!今後も追求者と我々だ､を宜しくお願い致します｡ (2020年3月2日 23時) (
レス) id: de8de63fc5 (このIDを非表示/違反報告)
ei - グッルペンになってるところありますよｗ (2020年3月1日 20時) (レス) id: 9d4306ee6c (このIDを非表示/違反報告)
代口 - ゆきさん» 親戚の出番一度のみなので､時間ある時にまた絡みを書きたいなと思っております…ｼｭｰ… (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9e6428ffc4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 親戚wwクリチャン (2018年9月4日 22時) (レス) id: 4e186dbe54 (このIDを非表示/違反報告)
代口 - 考慮させて頂きます｡貴重な意見有難う御座いました｡今後の更新からはなるべくわかりやすく書いていく様に意識させて頂きます｡長文失礼致しました｡ (2017年10月29日 17時) (レス) id: 2ab2960f5c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：代口 | 作成日時：2017年1月4日 22時
