これは、恋でもないし愛でもない【宮侑】 (ページ21)

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愛がはたちあまりひとつページ21

和子side

連れてこられたのは、空き部屋で、そこに居たのは宮くんにそっくりな宮くんじゃない人。

座るよう言われて、座った。

目の前に座る宮くんじゃない人はもぐもぐとご飯を食べている。

「向井さん、よな？

俺は宮治、宮侑の片割れな。よろしゅう」

「俺は角名倫太郎、よろしくね」

私も流れで自己紹介をした。

未だに困惑している私を見かねてか話をふってくれる角名くん。

宮くんの方はご飯を食べている。

私もお弁当箱を開き食べ始める。

すると、視線を感じて、見ると、宮くんが私のお弁当をじっと見ていた。

「えっと、宮…くん、どうかしましたか？」

「……その卵焼き美味そうやなぁ」

「治は、食べ物に目がないんだよ」

食べますか？と言ってお弁当を差し出せば顔を明るくさせて、ええん！？と聞いてくる。

首を縦にふれば、卵焼きをひとつとって口にいれた。

「～～！！うまい！！！

こんなうまい、卵焼き初めてや！！！

向井さん料理得意なん！？」

「え、いや、あの」

向井さんが困ってるだろ、と言いながら角名くんが宮くんの頭を叩く。

宮くんはまだ目をきらきらさせていた。