好きなのは ページ9
「今回はさ、お互い様なんだ。」
「…え?」
「二人共 考え過ぎてたんだよな。」
「……。」
「俺だって同じだよ。」
「…同じ?」
ぱちりと瞬きをした目が、くるりと俺を見る。
「そ、俺も。お前の言葉に違和感を覚えて、変に勘ぐってた。空回ってたよ。それがタイミングよく二人して重なったんだろ。気が合うな、俺達。」
「……ん。」
「だから、同じ。」
「………ふぅん。」
つれない態度を取ったって、機嫌が右肩上がりに直って行ってるのは分かってる。染まる頬、上がる口角、きらきらと輝きだす瞳。ルンとかランだとか、よくわかんねーが多分そんなもんを醸し出している。
そう、こいつは"おそろい"だとか"おんなじ"だとかいう言葉に弱い。そして目に見えて機嫌が良くなっていく様が、ちょろい。大変ちょろい。すげぇちょろい。良いのかそれで。いや、俺は事実しか言ってないのだが、何故だか騙しているかの様な気分になる程、ちょろ過ぎて可愛い。
「機嫌直った?」
「…直ってない。」
「ウソつけ。」
素直じゃない態度を取って見せるこいつが好きだ。思わず笑えば、藤ヶ谷からも堪えきれず笑みが溢れる。ああ、その仕草、表情、伏せた目や口元に添えられた小さな手も、そのどれもが好ましいけれど。
日頃から常に甘く愛でてばかりだけど。
どんなお前だって魅力的だけど、俺は。
お前の笑ってる顔が一番好きなんだ。
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久呂之(元:緋絽)(プロフ) - 和來さん» ありがとうございます(*´˘`*) 改稿の可能性もありますがちゃんと完結させたいと思っております。応援の言葉、励みになります(´⊃ω⊂`) (2019年9月29日 2時) (レス) id: 20569f8db5 (このIDを非表示/違反報告)
和來(プロフ) - このお話大好きです!更新される度にウハウハ言って読んでます!更新頑張ってください! (2018年4月22日 21時) (レス) id: 8f5aa5cad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:久呂之 | 作成日時:2018年2月12日 14時