検索窓
今日:58 hit、昨日:63 hit、合計:30,250 hit

449 夜桜 ページ30

【Aside】






晋助「おい、A

お前ェまだ寝はしねェだろ」





『まぁ、散々寝てたしな

頭もすっきりしてるしこのまま起きとるよ』





高杉「なら付き合え」






そう言って晋助が掲げたのは、

紺色の一升瓶



晩酌か、ええな




晋助につられ、

星空の見える丸窓の前に二人向かい合って座る


互いに酒を注ぎ合い、

どちらともなくそれを煽れば苦く甘い匂いが広がった







『……美味いな、コレ』





高杉「適当に見繕ってきたにしてはな」





『適当に取ってきたん?

にしてはアンタに合いすぎる酒やな』





高杉「あ?」





『いや……[夜桜]、


……桜は侍の花

そして儚く散っていく人の命にも喩えられる花』







猪口の中で静かに揺れる薄い桜色の液体



紺色の瓶と桜色の酒にちなんで、

[夜桜]なんて名前が付けられたんだろう







『花見だの桜吹雪だの……

散り際が美しいなんて皮肉なモンやな



アンタが散る事は無いやろうけど、

それでも、桜はアンタに似合いすぎる


……あぁ、勿論侍だからってのもあるで?』






高杉「……だが、桜の根元にはなんとやらとも言うだろ


俺ァそっちの話も好きだぜ?」





『ま、アンタらしいわ

ほれ、もう一杯』





高杉「ん、」







重い液体を晋助の持つ猪口に注ぐ




そういえば、

晋助とこうやって酒を酌み交わすのは初めてだな



他の奴らと飲む時と違って、

静かでゆったりとした時間が流れていく







高杉「……お前ェにも桜は似合うだろうな」










『……ん?

なんか言うたか?』





高杉「ただの独り言だ

……にしても、なんでお前ェは万斉の着物着てんだ」





『いや、流石にまた子ちゃんの着物は合わんくてな

そしたらまた子ちゃんが万斉から借りてきてくれたんよ』





高杉「……へェ

……おら、お前ェもまだ飲むんだろ」





『お、ありがと


……んぶッ!?』







酒瓶を此方に向けてきた晋助


酌してもらおうと猪口を持って伸ばした腕を引っ張られ、

晋助の胸に顔面から倒れ込む



突然の事に目を白黒させていると、

上からくつくつと喉を鳴らし笑う声が降ってきた







高杉「揶揄ってやろうと思っただけだが……

随分大胆に来るじゃねェか、なァ?」





『いや、アンタが引っ張ったんやろ、』







急いで上から退こうとするが、

後頭部をがっちりと掴まれ抜け出せない

450 ・→←448 ・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
601人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

岬影 - 明けましておめでとう御座います。。これからも頑張ってください。 (2023年1月1日 8時) (レス) @page28 id: c8b8308491 (このIDを非表示/違反報告)
か。(プロフ) - 村瀬さん» ありがとうございます〜!ゆっくり更新していきますので気長にお付き合いください〜 (2022年11月13日 16時) (レス) id: 15a41b8b93 (このIDを非表示/違反報告)
村瀬 - バラガキ篇…!更新頑張ってくださいね🤲 (2022年11月13日 12時) (レス) id: 518be6f384 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:か。 | 作成日時:2022年11月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。