情報屋。-仇 [番外編]-【劇場版銀魂完結編】

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【銀時side】







言葉を失う俺を他所に、

目の前の俺が口を開く








｢この世界で起こった事は俺が……いや、

いずれお前自身が引き起こす事態なんだ




お前の身体の中には

あの時から奴らの詛いが息づいている



世界を滅ぼす、ウイルスの苗がな｣






銀時｢！｣








瞬時に頭に思い浮かぶ、あの光景

十年前、厭魅を倒したあの戦場








｢あの時斬った野郎は唯の入れ物

厭魅の本体は奴が操るナノマシンそのものだったんだ｣








目の前の俺が話す声が遠く感じる


……俺は、








｢気付いた時には何もかも遅かった


侵食されつつある自我を辛うじて保ち、

奴を道ずれに腹をかっ捌いた




が、

俺の身体はもう俺のモンじゃなくなっていたのさ｣



















｢……A、｣







銀時｢！｣









Aの存在、そして今の彼奴

この世界に来てから持っていた疑問の一つ








｢彼奴は俺の頼みを聞いてくれた



……一回突き放したっつーのに、

彼奴なら断らねェって分かってて押し付けちまった｣







銀時｢頼み？｣







｢あのガキ共を、

……あの街を護ってくれ、って



馬鹿な俺は馬鹿な彼奴に頼んだのさ



それで彼奴は彼奴が俺を殺した事にした


俺が死んだ上、懐いてた奴に裏切られた



そう思わせ、

ガキ共がこの星を少しでも離れやすいようにな




……一番護りたかった奴に、

そう頼んじまったのさ｣







銀時｢……おい、彼奴は


Aは今、何処に、｣








｢………さぁな



ただ、

俺はどうしようもなく情けねェ男だったってワケだ



一度護りたかった奴の、最期の涙も拭えねェ

その眼に光を灯してやる事も出来ねェ


………そんな男さ｣











最期の、涙




その言葉に頭が真っ白になる




彼奴は白詛に身体を蝕まれていた

そんな彼奴が死んだ





……彼奴を殺したのは、








｢……何も出来ず、ただ生きる屍となった俺は、


その手によって世界が滅んでいくのを

眺める事しか出来なかった



目の前で、愛したかった奴が壊れていくのを

眺める事しか出来なかった




……此奴で分かったろ



俺は、世界を滅ぼす元凶たる俺を消す為に

俺をこの世界に招待したのさ｣








銀時｢…………｣








｢この世界の俺はこれで消える



だが、詛われた因果から俺達を、

……世界を解放する為には何をすべきか



準備は整えておいた、後の事は頼んだぜ




坂田銀時｣

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