心の音�� ページ4
「はあ、よっこいしょ」
明けて、朝。入口近くの、自販機ゴミ回収。
「おはようございます！」
振り向いたら、エレベーター降りてきた平野くん。顔、ツヤツヤですやん。笑てまいそう。
「おはようさん。今日は出張ちゃうの？」
「はい。今日は部長と一緒に本社に呼ばれて」
ははあ、と察し。例の、異動の一件やな？
「で、あの。昨日、岸くん家にいらしたって」
「せやねん。公園で喋っとったら岸くんが来て流れでそのまま、岩橋くんとお邪魔しててん」
ふう。これで２人きり違うたん、証言できたけど。なんで知ってるんやろ？昨日の電話ではその話、出てへんはずよな？
「実は、異動の話まだ打診されてるだけだったんですけど。自分でも決めかねてたから、先に玄樹には言ってて。でも、良かったねって言うだけで……なんか、気持ちが見えなくて」
「ああ、うん」
平野くんを縛ったらアカン、思うたんやろ。
「送り出してくれるのが嬉しくないって訳じゃなくて。ただ、その程度なんだなって思って」
「複雑やったんやね」
「アイツ、休職してから妙に遠慮する時あって悔しかったんです。仲間なのに、それ以上でも良いって思ってるのに本音が分からないのは」
心の声、漏れてる気ぃするよ。大丈夫なん？
「でも、昨日。独り言だって聞かせてくれた。だから夜、LINEしたんです。なんで急に教えてくれる気になったのか、確かめたくて」
ふんふん、ほんで？
「そしたら、相談に乗っていただいたんだって言ってて。玄樹、それで気持ちの整理がついたみたいです。だから……ありがとうございます」
「ええ、ウチなんもしてへんで？」
やって、ベンチでお茶してただけやもんな。
「そんなことないです。だって、今までずっと隠してた気持ち。独り言だったとしても聞けたんですから。で、思ったんです。玄樹の独り言これからも聞き逃したくないなって。だから」
「平野！」
と、開いたエレベーターから声がして。同時に部長の滝沢さんが飛び出してきた。
「すぐに車が来る。時間がない」
「分かりました」
で、２人して会釈して通り過ぎながら。
「本当に、断っていいんだな？」
「はい。有難いお話ですけど、まだチームで」
「……本社からの誘いなんて、そうそうないぞ」
そう、か。平野くんは。出世するかもしれん道よりここを選んだんや。心の、音を聞いて。
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黒那智(プロフ) - ななみさん» こんばんは、ななみさん♪コメントありがとうございます。遅くなりましたが、なんとか更新できました(・・;)表向き好青年な黒い闇宮司さん大好きなので。単独主演の設定、ちょっと笑ってしまいました。 (2022年2月13日 22時) (
レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - うん、宮寺さん、マジだからね。姫にはガチのマジだから。ここからハブとマングースがちょいちょい勃発するんですね。φ(･ω･｀)掃除のおばちゃんには、ヒートテックを送らなきゃです。 (2022年2月13日 17時) (レス) @page28 id: 70db826a37 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんにちは、コメントありがとうございます。プラベが慌ただしいので、ちょっと遅くなりますが必ず書くので気長にお待ち下さいませ。 (2021年12月9日 12時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - ぜひリクで♡(ӦｖӦ｡)計画中やったんですね(≧▽≦)楽しみにしてます(*´ω｀*) (2021年12月9日 12時) (レス) id: 5f0b5b138a (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんにちは、リク(でいいのかな？)ありがとうございます。実は、計画中でした(笑)。岸くんからは２人がどう見えてるのかな？的な話になりそうです。近いうち(いつや)アップする予定です。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒那智 | 作成日時：2021年5月30日 11時
