神さまの優しい試練と�� ページ13
「再契約、ですか……」
「もう一度、チャンスをいただけませんか？」
そのセリフは、ホンマやったら神宮寺くんが言うべきことかしれんけど。それだけやない。
「何故、そうまでしていただけるのでしょう」
「そういうとこ、ちゃいますか」
思わず口をついて出たウチのセリフの、先。
「前回の契約では、充分なお力にはなれませんでした。お怒りになっても不思議はないのに、有り難くこうして耳を傾けて下さっています」
引き継いだ永瀬くんを、兄さんは見とって。
「それは、経営者として未熟だったからです。いえ、今も一人では手に余ることばかりです」
ゆっくり、頭を下げて続けた。
「本当なら、こちらから出向いてお願いしたい所でした。ただ、申し訳ない気持ちもあり口にできず、きっかけも見つけられずにいました」
「では、当日お越しいただけると考えても？」
「伺わせていただきます」
やった！第一関門、突破やん！
「お手数ですが、こちらにお名前と連絡先を」
「分かりました」
けど、もう１個問題がある。当日、受付には内勤さんが入るて部長さんから聞いてるけど。
「当日、どなたをお訪ねすれば宜しいですか」
「先ほどの名刺を、受付でご提示下さい」
あ、永瀬くん宛にしとくんやな。
「僕はまだ直接クライアントを持ってないのですぐご案内できると思いますから、その後は」
用紙に記入し終えて、顔を上げた兄さんに。
「神宮寺が引き継ぎます」
もし、ここに岩橋くんがおったら。たぶん、一番言いたかったことを代わりに言うて笑う。
「ありがとうございます」
ずっと、拗れてた絡まってた行き違いの時間がほどける。そんな予感がする、たった一言。
「大事に、持ち帰ります」
永瀬くんが受け取った用紙は、ただの紙きれやのうて気持ちがいっぱい乗っかってるはず。
謝りたかったのに、踏ん切りがつかんと何回もエレベーターホールに足を運んでた兄さんの。
信じたいのに、信じきれへんかった神宮寺くんの葛藤も。自分を責めて前に進めへんかった、岩橋くんの苦しみも。何とかしたりたい、思て計画した平野くん高橋くんの思いも。ずっと、岩橋くんに寄り添ってきた岸くんの優しさも。
実際、足を運んで承諾させた永瀬くんの力も。
……全部全部、ここにあるんや。
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黒那智(プロフ) - ななみさん» こんばんは、ななみさん♪コメントありがとうございます。遅くなりましたが、なんとか更新できました(・・;)表向き好青年な黒い闇宮司さん大好きなので。単独主演の設定、ちょっと笑ってしまいました。 (2022年2月13日 22時) (
レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - うん、宮寺さん、マジだからね。姫にはガチのマジだから。ここからハブとマングースがちょいちょい勃発するんですね。φ(･ω･｀)掃除のおばちゃんには、ヒートテックを送らなきゃです。 (2022年2月13日 17時) (レス) @page28 id: 70db826a37 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんにちは、コメントありがとうございます。プラベが慌ただしいので、ちょっと遅くなりますが必ず書くので気長にお待ち下さいませ。 (2021年12月9日 12時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - ぜひリクで♡(ӦｖӦ｡)計画中やったんですね(≧▽≦)楽しみにしてます(*´ω｀*) (2021年12月9日 12時) (レス) id: 5f0b5b138a (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんにちは、リク(でいいのかな？)ありがとうございます。実は、計画中でした(笑)。岸くんからは２人がどう見えてるのかな？的な話になりそうです。近いうち(いつや)アップする予定です。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒那智 | 作成日時：2021年5月30日 11時
