名前、教えて 後編 ページ34
「海外相手だと、国にもよるけど時差があるだろ。で、出勤とか退社時間が国内事業部とずれるワケ」
言われてみれば、だ。
「ならビルの警備とか管理、別のが効率的だろ？」
「でも、同じ会社なのに連携しなくて良いのかな」
「その辺は、社内メールとかで済むんじゃないの」
いや、それじゃお近づきになれないんだってば！
てか、別館ってどこにあんの？今、集められてるの本館だよね。近所じゃないと、俺が困るんだけど。
「受付で配布した封筒には、全社共通の書類を封入しているので後ほど目を通しておくように。なお、別館での勤務者については……滝沢くん」
司会者に呼ばれた、年若い男性が立ち上がって。
「おはようございます、別館で責任者を務める滝沢です。まだまだ若輩者ですが、ここにいる皆さんと本館別館の垣根なく、良い関係を築きたいと考えています。では、別館配属となった方。移動します」
なんか。あの人、スピーチからして他の偉い人と違うんだよな。こう、見た目もシュッとしててさ。
「あれが、滝沢部長かぁ」
隣のヤツが、訳知り顔で呟く。
「なんでも、最年少で部長職になったらしいぜ？」
退出する別館組は数えるほどしかいない。でも、あの子と滝沢さんはやっぱり目を引いた。見た目もだけど、纏ってる気が違うっていうか。悪いけど、正直言ってあの２人は欲目ナシに別格だ。
「……そっか」
滝沢さんの、目に止まるような。使いたい、って思われる俺になれば良いんだ。さっきの【本館別館の垣根なく】を都合良く解釈するなら、だけど。
「では、本館で勤務する君たちは順番に所属部署へ各自移動。位置関係は、配置図を参考にしなさい」
今は、まだ。出て行く扉さえ違うけど。もう俺はあの子が誰なのか、知ってる。初めて見掛けた日は次に会えるかも分からなかった。でも、いつか直接言葉を交わす日が来たら。今日の気持ちを、記憶を上手に隠して。その、唇が動く瞬間から始めよう。
【名前、教えて】
きっと、ずっと。逃がさないから。ひとつずつ、気付かれないように。あの子のカケラを手に入れて捕まえる。だって、この出会いは運命だから。ね？
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黒那智(プロフ) - ななみさん» こんばんは、ななみさん♪コメントありがとうございます。遅くなりましたが、なんとか更新できました(・・;)表向き好青年な黒い闇宮司さん大好きなので。単独主演の設定、ちょっと笑ってしまいました。 (2022年2月13日 22時) (
レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - うん、宮寺さん、マジだからね。姫にはガチのマジだから。ここからハブとマングースがちょいちょい勃発するんですね。φ(･ω･｀)掃除のおばちゃんには、ヒートテックを送らなきゃです。 (2022年2月13日 17時) (レス) @page28 id: 70db826a37 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんにちは、コメントありがとうございます。プラベが慌ただしいので、ちょっと遅くなりますが必ず書くので気長にお待ち下さいませ。 (2021年12月9日 12時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - ぜひリクで♡(ӦｖӦ｡)計画中やったんですね(≧▽≦)楽しみにしてます(*´ω｀*) (2021年12月9日 12時) (レス) id: 5f0b5b138a (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんにちは、リク(でいいのかな？)ありがとうございます。実は、計画中でした(笑)。岸くんからは２人がどう見えてるのかな？的な話になりそうです。近いうち(いつや)アップする予定です。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 2f3a90e586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒那智 | 作成日時：2021年5月30日 11時
