恋、始めました 〜出会い編��〜 ページ41
まだ眠たげな背中についていくと。
「どっか、見ときたいとこあんの？」
キョロキョロしているのに気付いたらしい。
「あ、うん。でも、今日でなくても良いし」
「運動部なら、幾つか知り合いいるけど？」
「平野くんは、どこに入るの？」
「や、助っ人に呼ばれたりはあるけど……てか、呼び方な。紫耀でいいから」
「あ。じゃ、僕も玄樹でいいから」
隣を歩くと、胸板が厚くかなり筋肉質なのが伺える。助っ人に呼ばれるなら運動神経も良いと思われるのに。そう思った時、遠くから響く音が意識を引いた。
「野球……」
「先輩に当てがあるけど、どうする？」
紫耀が言った時、前方に影が落ちた。
「なんだ、平野じゃん」
「見慣れない奴といるから誰かと思うだろ？」
「中等部の間は大目に見てやったけどよ」
と、紫耀の気配が剣呑なものに変わる。顔を上げれば、お世辞にも好意的とは言い難い三人がこちらを見ている。
「だいたい、目立つんだよお前は」
「高等部に来たからには、今までみたいには」
「いかねえ、よな……ちょっと付き合えよ」
玄樹が戸惑っていると、紫耀は鞄を渡して。
「預かってて。ここで野球部見学しながらさ」
「で、でも」
「じゃ、場所変えましょうか。先輩方」
「いい度胸してんじゃん？」
四人を見送ったものの、気が気ではなくて。
とても悠長に見学する余裕などなく、右往左往しているとグランドから能天気な声がした。
「なになに、入部希望？」
「え、いや違うんですけど」
振り向けば、人懐っこい笑顔の部員がいて。
「遠慮しないで入って入って？体験入部とか」
「や、あの。僕、前にケガしちゃってて」
それは事実で。騙し騙し続けるのも、どこか抵抗があって積極的にはなれなかった、のに。
「そっか。でも、野球好きなんだろ？」
聞かれて、つい頷いていた。
「なら、スコアラーとかマネージャーとかさ。できる時だけやるのもアリだし。紫耀なんか、マジいっつも飛び入りだし？」
「え、じゃ……紫耀が言ってた知り合い、って」
「あ、それそれ」
まだ何か言おうとしたところで、声が飛ぶ。
「どこまでボール拾いに行ってんだー！」
「あ、やべ！もう行くわ」
て、駆け出しながら振り向いて。
「俺、二年の岸優太。入部、よろしくなっ！」
「え、ちょ……」
その、後ろ姿に呟く。
「……ゆうた、くん……？」
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さくら - はじめまして。読ませていただきました。ご本人様達とは関係はないですよね？ (6月13日 12時) (
レス) @page18 id: a57f5c49bf (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんばんは、コメントありがとうございます★ゲームもどき文化祭が一区切りついたら、おばちゃんネタは私も好きなのでそれも良いかな(笑)。移転目前ですが、２でもよろしくなのです(^-^)/ (2019年10月21日 1時) (レス) id: bd09ac7e96 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - どれも好きな作品ばかりですし、次のお話のネタ達も楽しみですが、またしても掃除婦が気になってます(笑)こればかり言ってますね(笑)よければまたお願いします( *´艸｀) (2019年10月20日 23時) (レス) id: bb1ea8dca7 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - もっちさん» コメントレスありがとうございます(^-^)/掃除のおばちゃんネタはノリで始めたのですが(笑)意外とご好評いただいてます。そろそろお話が満杯なので、移行先でもよろしくお願いします★ (2019年10月14日 12時) (レス) id: bd09ac7e96 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - お返事をありがとうございます。脳内で実写化して楽しみます。実は掃除婦は見たがすごくツボで大好きなので、またお時間あれば続きをお願いします♪ (2019年10月14日 11時) (レス) id: 32e719aafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒那智 | 作成日時：2019年2月3日 22時
