恋、始めました 〜出会い編�◆� ページ40
「あ、うん。ありがと」
「いや、俺もここだから」
二人、中に入ると既に教室にいた生徒がざわつく。彼が座ったのは廊下から二列目の、一番後ろ。机に貼られたラベルに「平野」とある。
「お前、名前は？」
「岩橋、だけど」
「んじゃ、あっち。窓際、たぶん前から３つ目くらいまでじゃね？」
あ、ここって名前順で席が決まるんだ、と。
目を転じて礼を言おうとしたら。
「うわ、さっすが平野」
「入学式初日、HR前から瞬間爆睡じゃん」
……周囲のざわつき通り、机と同化している。
仕方なく、教えられた通り窓際に移動するとまさに一番前が自分の席だった。と、ほどなく前扉が開いてスーツ姿の男性が入ってくる。
「はーい。みんな席に着けよ〜」
教壇に立った彼は、黒板に名前を書いた。
「中等部からの持ち上がりには今更だろうが、河合郁人だ。クラス担任するからよろしくな」
「センセー！席、埋まってるし揃ってるよ〜」
どこからか、声が飛ぶ。出欠を取らせない、と言うよりお決まりの時間を省略して早く遊びに行きたい。そんな様子が伺える。
「ま、いいけど。来てなかったり、聞いてないとかは自分でどうにかするってのがルールだし持ち上がりなら分かってんだろ？」
はーい、とそこかしこから返事が返る。
「んじゃ、今返事した奴らは自己責任で帰宅。編入組は、そうもいかねえだろうから残れよ」
待ってました、とばかりに教室から生徒達は消えて。残っているのは、担任を含め三人で。
「岩橋は高等部からの編入だよな」
「はい。でも、カリキュラムは入学前に確認したし……特別教室の場所とかも、式で配布されたパンフレットでだいたい分かりました」
「そっか。じゃ、長々説明されるより必要な時にピンポイントのが頭に入りそうか？まぁいつでも質問しに来い。あと、平野！おい起きろ」
「……んあ？もうHR終わったんすか？」
離れた席まで届きそうなアクビをしながら、けれど全く悪びれる様子もない。
「……やれやれ、これだよ。平野も半年ほど前に編入してきたクチだから案外話が合うかもな」
「そう、なんですか？」
「ま、見た目が派手だから心証の悪い先生方もいるけど。コイツ、意外と良い奴だから」
「もう、ハードル上げないでよ」
平野は、ケラケラと笑って立ち上がり。
「……帰る？」
当たり前のように笑いかけてきたのだった。
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さくら - はじめまして。読ませていただきました。ご本人様達とは関係はないですよね？ (6月13日 12時) (
レス) @page18 id: a57f5c49bf (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - アリスさん» こんばんは、コメントありがとうございます★ゲームもどき文化祭が一区切りついたら、おばちゃんネタは私も好きなのでそれも良いかな(笑)。移転目前ですが、２でもよろしくなのです(^-^)/ (2019年10月21日 1時) (レス) id: bd09ac7e96 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - どれも好きな作品ばかりですし、次のお話のネタ達も楽しみですが、またしても掃除婦が気になってます(笑)こればかり言ってますね(笑)よければまたお願いします( *´艸｀) (2019年10月20日 23時) (レス) id: bb1ea8dca7 (このIDを非表示/違反報告)
黒那智(プロフ) - もっちさん» コメントレスありがとうございます(^-^)/掃除のおばちゃんネタはノリで始めたのですが(笑)意外とご好評いただいてます。そろそろお話が満杯なので、移行先でもよろしくお願いします★ (2019年10月14日 12時) (レス) id: bd09ac7e96 (このIDを非表示/違反報告)
もっち(プロフ) - お返事をありがとうございます。脳内で実写化して楽しみます。実は掃除婦は見たがすごくツボで大好きなので、またお時間あれば続きをお願いします♪ (2019年10月14日 11時) (レス) id: 32e719aafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒那智 | 作成日時：2019年2月3日 22時
