つづき ページ13
「二人とも話すと長くなるんだよなー。おい、準備できたから戦兎も来いよ」
龍我くんが私たち三人をカウンターに座らせて冷蔵庫から何か取り出している。戦兎くんも美空ちゃんも何か分かってないっぽい。
「ほい、俺の手作りケーキだ！ちゃんと食べろよー」
リースの形をしているチョコレートケーキが私たちの前に一つずつ置かれた。大きすぎず小さすぎず、小腹を満たすには丁度良さそう。
「万丈……普通の料理も出来たんだな……」
戦兎くんが驚いて口をあんぐりと開けている。あぁ、確かに龍我くんインスタントのプロテインラーメンとか食べてたね。それを思わせないほどの腕前である。でも本当に美味しそう。
「あぁ？馬鹿にしてんのか？とりあえず食べてみろよ」
龍我くんに急かされて一口食べてみる。あ、美味しい！しっとりとした食感で口の中に甘さが残っている。ここまで本格的なものだとは思っていなかった。
「ん？美味しすぎて言葉も出ないのか？」
「うん」
「え？マジか！」
「まぁ、悪くないじゃないか？」
「万丈のスイーツ美味しいよ」
腕を天井に伸ばして全力で喜ぶ龍我くんをちらりと見てケーキを食べ続ける私たち。本当に美味しかった。龍我くんは終始満足気だった。
***
「今日はお開きでーす！ありがとうございましたー！」
プレゼント交換会の後はもうこれでもかと言う程楽しみまくった。こんなに楽しいクリスマスは久しぶりで、少し疲れた。
「遥香、今日はありがとね。これからお兄さんのところだっけ？」
「うん。こちらこそすごく楽しめたよ。ありがとう」
クリスマスパーティの余韻に浸り、そろそろ行こうかと思い立つと龍我くんがケーキ箱を持って私を呼んだ。
「おい、今から兄貴の所行くんだろ？これ余ってるから持ってけよ。やっと、会えたんだろ？」
口調は荒いが、これが龍我くんの優しさなのだと思うと頬が緩んでしまう。本当に私は人に恵まれていると思う。こんなに素敵な人たちに囲まれて、幸せだなぁ。
「ありがと。私、皆と会えてよかった。すごく楽しかったよ」
この日のことを忘れないだろう。それほど私にとって大切な日になった。明日もまた来れるかな。
三人に見守られ、私はしっかりとした足取りでnascitaを去った。外はそこまで遅い時間でもないのにもう真っ暗だ。ふと空を見上げるといくつかの星が輝いていた。
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伊万里(プロフ) - 雛鳥さん» コメントありがとうございます。本当にそう言っていただけて嬉しいです！ビルド本編で内海くんの笑顔が見れなかったのでせめて妹ちゃんといる時だけでも…と考えた結果がこれだったので、ちょっと心配だったんです（笑）こちらも頑張ります！ (2019年8月19日 22時) (
レス) id: 92a20c5a50 (このIDを非表示/違反報告)
雛鳥(プロフ) - こんばんは、本編の方にもコメントさせて貰った者です。伊万里様が書かれる戦兎くんも素敵ですが内海さんも素敵でちょっとシスコン気味？な感じが最高です…（笑）本編は勿論、番外編の更新も楽しみにしてます! (2019年8月19日 21時) (レス) id: 441b98a8bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊万里 | 作成日時：2019年8月7日 23時
