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私のクラスにやってきたAさんは、出っ歯くんの頭を教科書で叩いて、どーぞ、と笑っていた。
『いてーなぁ！クソブス！』
『うるさいなぁ！教科書貸さんぞクソ出っ歯。』
じゃれ合う２人の元にりょうくんと増田くんが笑いながら近寄っていく。
『また喧嘩してんの？』
『２人とも馬鹿すぎるだろ。』
見慣れたやり取りの中、Aさんの顔は愉しそうに笑ってる。
そんな時だった。
がらっとドアが開いて、紙パックのジュースをくわえた柴田くんが、あっ、と声を出してその集団にかけよった。
『裕ちゃん！』
すると、どうだろう。1番に反応したのは、Aさんだった。
ブンブンと両手を振って目を輝かせる彼女は、合宿2日目に顔を赤らめたあの彼女だった。
その時私は知ったのだ。
Aさんの好きな人が誰なのかを。
どうして彼氏を作らなかったのかも。
私の小さな胸の痛みの正体も。
「ねえ、それで、サインとか貰えそう？」
「え？誰の？」
「だ〜か〜ら〜、東海オンエア全員の。もちろん将軍のも。」
そんなの無理だよ。
ーー私、そんなに仲良くないもの。
自分で口にして、自分で傷付く。
最後まで結局仲良くもなれなかった。
どうにもできなかった。
「昔の写真を印刷してあげるよ。
それでいい？」
「え！うん！それ最高！絶対喜ぶげ！
ありがとー！！！」
近くに住んでいて、同じように生きていたのに、いまではとても遠い世界に居るあなた。
ツクンと痛む胸。
でもそれは、少しだけ、Aさんの恋心に似ているような気がして、その痛みが少し愛おしかった。
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むむ◎(プロフ) - 椿さん» 椿さんこんにちは！いつもコメントありがとうございます(TT)そのコメントを励みに更新がんばります！！ (2020年1月6日 23時) (
レス) id: 70a6965a98 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - むむ◎さんこんにちは。いつも楽しく読まさせていただいています。クリスマスイブ、将軍ちゃんの気持ちを考えると切なくて泣けてきます（ ; ; ） (2019年12月28日 22時) (レス) id: 54af9b9bfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むむ◎ | 作成日時：2019年11月27日 0時
