Ⅲ.秘密の７人目【東海オンエア】 (ページ10)

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「くそ素人が作った歌」をプロに渡したらどれくらい完成度上がるの！？ページ10

「やあどうも。
東海オンエアのしばゆーと、」
「りょうと、」
「としみつと、」
「虫眼鏡だ。

YouTuberというと目立ちたがり集団なわけですよ。」

虫眼鏡が流暢に動画を進行させていく。今日の企画は、編集者のプロ力の検証ということで、センス無し音痴男が曲を作ることになっていた。

その哀れな称号を持つてつやが撮影部屋にパソコンを持って入っていくと、そこにいた4人は愉しそうにニヤニヤと笑っている。

彼が恥ずかしそうに曲を聴かせるところまでは想像していた通りの進行だった。

「ぼくの作った曲！こちらです！デン！」

イヤホンから流れる声はさすがてつやというもので失笑しながらもメンバーたちはしっかりと耳を傾けている。

りょうも言うに及ばず白い歯を見せて笑っていた、サビの前の台詞までは。

台詞を耳にしたとき、当たり前の内容ではあるものの、どこかで聞いたことがあるような気がしたのだ。

１番のサビが終わったとき、もしもカメラが回っていなかったら、りょうはてつやの名前を呼んでいただろう。

然しながらカメラは回っていた。りょうは自然に顔を上げててつやの顔を確認した。

するとそこには、少しはにかんでこちらに顔を向けるてつやがいたのだ。

隣の部屋でゆめまるとダベっているAは何故だか撮影部屋にはいなかった。