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ひと通り洗い終え、息子を抱えて彼女を探す。
内風呂にはいない。露天風呂に出たところ、平日とあって老人の多い中、岩湯のまんなかにその人はいた。
テレビの音や利用者の話し声、そんなのは聞こえていないのだろうか。目を閉じて顎まで湯に浸かっている彼女は、まるでどこか遠い世界の人のようだった。
いつだったか、似たようなことを誰かを見て思ったような気がする。誰だっけ。記憶の中からその人を手繰り寄せようにもなかなか出てこない。
足を一歩出せばザプン、と水をかく音がやけに響く。それに反応した彼女はゆるゆると眸を開けた。
かち合った視線。それでいて2つのガラス玉は私を見ているようではない。
「あの、さっきはありがとうございました！」
意を決して笑いかけると、彼女は玉のような眸に初めて困ったような色をのせた。
洗い場での出来事を伝えると、彼女はわずかに驚いてから頭を振るわせる。
「いえ、大したことじゃないですから。
おせっかいでしたよね、すいません、」
「いえいえいえ！私本当に嬉しかったです！
職業柄人に批判されることは多いんですけど、ああやって直接息子だけじゃなく私にも理由をしっかり教えてもらえて！
気をつけますね！本当にありがとうございます！」
眸を揺らす彼女は、私にならって頭を下げた息子にたどたどしく笑いかけている。
「医療関係のお仕事されてるんですか？？」
「ええ、助産師を。」
息子に向いた視線がゆっくりと私をなぞった。凛とした響と、まん丸い黒に込められた強い意志からは、彼女がその仕事を誇りに思っているのだ、と誰が見ても明らかだった。
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むむ◎(プロフ) - ニムさん» ニムさん、コメントありがとうございます^^そう言って頂けて本当に嬉しいです。ありがとうございます！ (2019年8月12日 0時) (
レス) id: 70a6965a98 (このIDを非表示/違反報告)
ニム - 続き楽しみにしています!ドキドキしながら更新待っています^^ (2019年8月2日 22時) (レス) id: 27952bddbb (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - むむ◎さん» もしあやなんと将軍ちゃんが出会ったらどうなっちゃうんだろうとドキドキしております笑 (2019年5月6日 15時) (レス) id: 9c1b486e05 (このIDを非表示/違反報告)
むむ◎(プロフ) - 椿さん» 椿さん、コメントありがとうございます！しばゆーいいですよね、でも中々しばゆーのお話がないので、共感してもらえて嬉しいです(*^^*) (2019年4月29日 18時) (レス) id: 70a6965a98 (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - し/ば/ゆーとの関係性がすごく好きです！更新楽しみにしています！ (2019年4月29日 17時) (レス) id: 9c1b486e05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むむ◎ | 作成日時：2019年4月27日 0時
