Ⅰ.秘密の７人目【東海オンエア】 (ページ29)

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然しアメリカに旅立つ前、彼女は涙を流してこう言ったのだ。

『ざわくん、ほんとにありがとう。でもね、私気付いたの。いつの間にか、YouTuberとして生きることも私の大切な夢になってたってこと。

迷惑もかけないように頑張るし、動画の編集も頑張る。プラスで夢を叶えることも諦めない。

だから、東海オンエアとして居させてください。』

泣いて泣いて７人で泣いて、ざわくんは、Aがそう言うなら、僕だって東海オンエアにいて欲しいんだと、泣きながら頷いて。

そんな彼だからこそ、約束通り夢を叶えて帰ってきた彼女を尊重するざわくんだからこそ、今放たれた言葉に深い思いを感じた。

「ほんと、優しいなぁ、ざわくん。
ざわくんの彼女が羨ましいげぇ。」

すん、と鼻をすする彼女にもそれは伝わったのだろう。

いつの間にそんなに涙腺が緩くなったんだ。冗談を口にして普通を装うAが、ぼやけて見えて人のことを言ってられないなと思った。

(てつや！前前！前見りん！！)
(うわっ！あぶねっ！！)
(また事故する気？)
(いや、あれは明らか相手が悪かったやん！！)