Ⅰ.秘密の７人目【東海オンエア】 (ページ4)

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勘の良い彼女はそれを嗅ぎ取ったのかもしれない。

9センチほど背の高い彼女は、視線をさまよわせながら後退していった。

その先にいるゆめまるとぶつかって、慌てて振り返る彼女。

落ち着きのなさと慌てふためく様子は、大人びた容姿とギャップがあって、昔の彼女のままで笑いが溢れた。

「こんな形で帰ってくると思わんだろ！！」

ゆめまるを凝視していた彼女に、さっきまで呆然としてたとしみつが急に立ち上がって大声を上げた。

「もう！何さ！！せっかく帰ってきたのに！！
もっと喜んでくれると思ってたわ！！

ばーか！みんな嫌いや！」

部屋を飛び出した彼女。

やって来たときと同じくらい轟音を立てて出ていった後ろ姿が、4年前の空港でみた最後と重なって。

きっとそれは僕だけじゃなくて、そこにいた5人も同じだったようだ。

カメラを置くのも忘れて廊下を走ってみんなで追いかけた。

名前を呼ぼうとしたのと、彼女が思い切り振り向いたのは同時だった。

「はい！ドッキリ大成功〜！！」

クシャリと笑うその笑顔が、本当に25歳か？と思うくらい無邪気で。

やられた、とかそんな事よりも、出ていかなくてよかったと、その気持ちでいっぱいだった。