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もう終わりが近いことを知ったらMondoはどんな反応をするのだろう。
私のために泣いてくれたりするのかな。
「明日の夜には帰るよ」
Mondoの口から「え?」というか細い声が出された。
加えて目を皿にしている。
「……マジ?」
「うん」
「もっと早く言えよ」
「ごめん。私も忘れてた」
そう言って苦笑するとMondoは顔をしかめた。
「俺と別れるの、気にしてないの?」
違う。むしろその逆だよ。
Mondoがいてくれたから帰国なんて嫌なこと忘れられたんだよ。
思ったことをそのまま口にするとMondoは顔を赤くして「そっか」と目線を逸らした。
可愛い、愛おしい、大好き、色んな感情がぐちゃぐちゃになって思わずにやけてしまう。
いつの間にか視線を戻していたMondoは「笑うな」と凄んだ。
まるで子猫の威嚇のよう。
「夜って何時?」
「えっと11時のフライトで……、離陸1時間前には着いてたいし……、あとは直通列車で1時間くらいで……」
「何時?」
「8時30分にはホテル出たいな」
「じゃあ8時に迎えに行くわ」
「え? 来てくれるの?」
明日もいつも通りの時間に、Mondoの言葉を借りるなら、デートをするのかと思った。
Mondoは嘲笑して「チェックアウトできるの?」と言った。
そうだった、チェックインはMondoにやってもらったんだった。
っていうか私、なんも韓国語分からないくせによく帰れると思ったな……。
そう考えると無策で旅行しに来たのもだいぶすごい。
「できません……」
「空港まで連れて行ってあげる」
「Mondoスパダリ……ありがとう……」
「すぱだり?」
「スーパーダーリン。全部が完璧な男の人のこと」
「あ〜、なるほどね。まっ、俺はAのダーリンだからね」
「それ自分で言ってて恥ずかしくない?」
「うるせえ」
照れるなら言わなきゃいいのに……。
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Ayaka(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品をありがとうございます。構成や感情表現が綺麗で、読んでいく度に惹き込まれます。先の展開が凄く気になって楽しみです!お身体に無理をされず、しりお様のペースで書いて頂ければと思います。これからも応援しています! (2022年3月22日 19時) (レス) id: 11c194713d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しりお | 作成日時:2022年3月10日 19時