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しばらく歩いて着いたのは、
「ここ?」
「うん。カフェだよ」
そんな会話をしてしまうほど一見、民家に見えるお店だった。
やや小さめの黄色い一軒家はMondoの言う通りカフェらしい。
扉の前に木材でできた看板が立ててあり、手書きの文字やイラストが書かれている。
文字は韓国語だから読めないけど、パンケーキのイラストは分かった。
Mondoがドアを開けて待っているのを見て、慌てて店内へ入る。
中には人が良さそうな笑顔の女性がいた。
清潔感のある顔周りやすらっとした立ち姿は教養が良いことを表している。
Mondoとその店員は韓国語で数回会話を交えた後、席に向かって歩き出した。
無論私もそれに着いていく。
私達の席は窓側で、ゆったりと座れるソファーと暖かい印象を与えるテーブルが用意されていた。
窓から見える景色は私達2人がさっきまで歩いていた路地であった。
人気のない狭い道が怖くてビクビクしてたけど、こうして見ると太陽の光が充分にある のどかな道路だ。
塀の上で猫が欠伸をしている。
「Mondoってこういう場所行くんだね」
手渡されたメニュー表を受け取りながら笑いかけた。
静かで落ち着いた雰囲気のある所は好きそうだけど、カフェに行くのは意外だ。
意外とおしゃれなんだな、そう思っていたら、
「行かないけど」
と言われたから驚いて「え?」と反射的に聞き返した。
「A、好きでしょ? こういうの」
確かに、敷居が低くのんびりとしたお店は好きだ。
気張り過ぎずに行けるのにおしゃれなのがいい。
でもこれをMondoに言った覚えはない。
Mondoもそれを分かっていたのか、口を開いてこう言った。
「Twitterでカフェの写真、たくさんアップしてたじゃん」
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Ayaka(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品をありがとうございます。構成や感情表現が綺麗で、読んでいく度に惹き込まれます。先の展開が凄く気になって楽しみです!お身体に無理をされず、しりお様のペースで書いて頂ければと思います。これからも応援しています! (2022年3月22日 19時) (レス) id: 11c194713d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しりお | 作成日時:2022年3月10日 19時