推せない時でも推せ【Mondo】

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＞終われ
＞さよなら
＞mondo返せmondo返せmondo返せmondo返せ
＞よくないねぇ〜
＞CR抜けろ
＞mondo返せmondo返せmondo返せmondo返せ



CRの事務員として働いているおかげで普段使われる漢字くらいは覚えた。
だからチャットの荒れ具合も分かる。


下から上へと絶え間なく流れ続ける誹謗中傷。
サブスクに加入しているリスナーの色付きチャットも全く読めない始末だ。


ここが切り抜かれていた理由と、さっきの動画で俺の名前が出されていた理由が分かった。
晒しあげるためだったのか。


Aがホライゾンをピックした途端、チャットは更に荒れ出す。
Mondoがどうだとか、まねするなとか、そんなくだらないことばかり。


PeluとMondo引退が関係ないことなんて少し考えればすぐ分かることなのに、どうしてこんなことになっているんだ。


……俺が引退理由を明かさなかったから？


別にどうしても話して欲しくない理由があったわけじゃない。
変な憶測を立てられるのが面倒で、且つ周りに迷惑をかけると思ったから、そうなるくらいなら初めから教えない方が平和に終わると思ったんだ。


でも結果は真逆だった。
俺のせいでAがここまで苦しめられているなんて思っていなかった。



『今はお休みしてるの』

『なんで？』

『えー、っと……疲れちゃって？』

『はぁ？ CR入ったばっかじゃん』

『うん、そうなんだけどね』



一緒に寿司を食べに行った日のことを思い返す。
事情を知らなかった……、いや、そもそもPeluについて知ろうとすらしなかったくせに俺は『何やってんねん』なんて配慮のない言葉を投げた。



『日本戻ったらたくさん配信するよ』

『それ普通だよ』



普通じゃない。全然普通じゃない。
むしろ頑張り過ぎだ。


Aはあの時、どんな気持ちで『確かにね』と言ったのだろう。
俺はどうして空笑いに気付けなかったんだ。

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