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呼び鈴が聞こえた後、「はーい!」と返事をしてドアを開ける。
来てくれたのはもちろんMondoだ。
「どうぞどうぞ、お入りください」
「こういう時、なんて言うの?」
「お邪魔します!」
「お邪魔します」
Mondoは育ちがいい。
部屋に入る前に一礼をしてくれたし、丁寧に靴を並べてくれた。
普段、悪口ばかりだからか、こういうことをされるとギャップ萌えしてしまう。
これがハロー効果ってやつか。
「おぉ〜、綺麗」
「そりゃホテルですし。お掃除してくれますから」
「自分の家は汚いの?」
「いやいやいや綺麗ですよ。もうね、ピッカピカ」
「ふーん」
「おいなんだその微妙な反応」
聞いといてそのリアクションはないだろ!
思わずツッコみそうになったが堪えた。偉いぞ、私。
とりあえずソファーに座って、と促す。
大人しく言う通りにしてくれたMondoの目線の先にはローテーブルと、ミサンガの作りかけ。
しまった、片付けるのを忘れていた。
置きっぱなしだったそれを寝室まで持っていこうとした時、Mondoが「ミサンガ?」と尋ねてきた。
「うん。暇だからずっとやってる。Mondoが来るまで進めてた」
「……全然進んでないね」
「こ、こんなもんだよ、普通は」
言えない。
簡単だと思っていたのに案外難しくて手こずっているなんて。
「ふーん?」
「本当だよ! 下手じゃないから!」
「はいはい」
「あくまで信じないつもりだな……」
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Ayaka(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品をありがとうございます。構成や感情表現が綺麗で、読んでいく度に惹き込まれます。先の展開が凄く気になって楽しみです!お身体に無理をされず、しりお様のペースで書いて頂ければと思います。これからも応援しています! (2022年3月22日 19時) (レス) id: 11c194713d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しりお | 作成日時:2022年3月10日 19時