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ストリーマーを辞めてから嫌な気分になることは少なかった。
元々モチベーションも無に等しかったし、おじじのおかげで待遇も良かったから。
でも今日はむしゃくしゃする。
良くないと分かっていても貧乏揺すりが止まらない。
俺……、いや、俺達の仕事は翻訳。
特に配信の切り抜きを翻訳することが多い。
不定期に行われる配信に合わせる仕事だから急に頼まれることもある。
ほとんどが敵と撃ち合っているシーンだからそこまで仕事量は多くない。
編集だって慣れてしまえば簡単にできてしまう。
だからこそ、簡易な作業のために約束を破ってしまったことに苛立ちが募る。
それだけじゃない。
Aを1人にした。
昼間だからといって1人で帰したのは無礼だっただろうか。
俺に対してどんな感情を抱いたのだろう。
なぜこんな気持ちが湧き上がるのか分からなくて、それもまたイライラの材料になる。
「うわああああ！ Selly、Selly！！」
「あ〜、Rasうるさい。本当"クソガキ"だ。雑巾で口縫いつけるよ？」
「ドーム投げるから詰めて……って、え！？ なんだこれ！？ ちょっと待ってバグだよ、バグ！」
パソコンから聞こえる、別パに驚くRasの声、Sellyの呆れながらも笑っている声、Cptのクソドーム宣言。
そして瞬く間に蜂の巣にされて部隊は全滅。
CRが聞いて呆れる。
クソ腹立つ。特にRas。
Sellyの言う通り、"クソガキ"だ。
配信してんじゃねぇよ。仕事増えるだろ。
あの出来事がなければ今頃俺もあっち側の世界で＿＿。
考えかけたことを消滅させるために頭を振る。
これでいいと決断したのは他でもない俺なのだから文句は言えない。
俺もアラもルリも元気に過ごしている。それでいい。
刺激も楽しみも何もないけど現状に満足してるんだ。
きっと、多分。言い聞かせてるだけかもしれないけど。
「…………A」
俺がAのことを気にしているのは、失った刺激や楽しみを探しているから？
Aなら変えてくれると思っているのか？
もしこの予想が当たっているなら早く連れ出して欲しい。
泥沼に沈んでしまう前に俺を引っ張り出してくれ。
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Ayaka(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品をありがとうございます。構成や感情表現が綺麗で、読んでいく度に惹き込まれます。先の展開が凄く気になって楽しみです！お身体に無理をされず、しりお様のペースで書いて頂ければと思います。これからも応援しています！ (2022年3月22日 19時) (
レス) id: 11c194713d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しりお | 作成日時：2022年3月10日 19時
