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結局、照れたMondoが拗ねて、私達は寿司を食べることになった。


「韓国料理食べなきゃだね?」と笑う私を、「うるっせえよ」と睨むMondoはなかなか可愛かった。
だって凄んでいるのに耳は真っ赤なんだもん。


入ったお店は外観だけで高級だと分かるお寿司屋さんだった。


Mondo曰く、高い店ほど変なアレンジが加えられていないんだとか。
今回も日本人の私に対する優しさで溢れていて思わずニヤけそうになる。



「몇 분이세요?」

「두명이예요. 개인실 있어요?」

「네. 이쪽으로 오세요」

「……なんて?」

「いいから黙って着いてこい」



店員さんに案内され、店の中を進む。
カウンターを通り過ぎ、一番奥にある座敷の個室に着いた。



「메뉴표 입니다. 여기 있습니다」



店員さんから貰ったメニュー表を、Mondoが「はい」と言って渡してきた。
韓国語読めないんだけど、そう思いながら開くと親切にも英語表記があった。
これならまだ読める。



「Mondoは何食べる?」

「俺のことはいいって」



先に決めろってことか。
レディーファーストも完璧でちょっとずるい。



「じゃあマグロとサーモンと……、イカも食べよっかな。はい、Mondo、どうぞ」

「ん」

「何にするの?」

「성게って何?」

「ソンゲ?」

「うん。ちょっと待って」

「はーい」



しばらく待つとMondoのスマホから「うに」という音声が聞こえてきた。
私もMondoも「あ〜」と声をハモらせる。



「Mondo、ウニ好きなんだね」

「はいはい」








注文も当然Mondoがやってくれた。
だって私、韓国語分からないから。
Mondoと出会わなかったらどれだけ苦労しただろうか。
想像したらゾッとする。



「本当にありがとうございます……。今回は奢らせてください」

「無理」

「なんで!」



頑なに奢らせてくれない。
韓国では男性が奢ることが普通なのかな?
しかし高級店でも奢ってもらうなんて罪悪感でいっぱいになってしまう。



「ねぇ、Mondo、ご飯食べ終わった後って暇?」

「うん」

「じゃあちょっと買い物に付き合ってくれない? プレゼント買いたくて」

「だるっ」

「お願いします!」

「まぁいいけど。……やっぱりだるいな」



何かプレゼントでも買おう。
そうしたらチャラにしてもらうんだ。

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設定タグ:CR , CrazyRaccoon , Mondo   
作品ジャンル:恋愛
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Ayaka(プロフ) - 初めまして。とても素敵な作品をありがとうございます。構成や感情表現が綺麗で、読んでいく度に惹き込まれます。先の展開が凄く気になって楽しみです!お身体に無理をされず、しりお様のペースで書いて頂ければと思います。これからも応援しています! (2022年3月22日 19時) (レス) id: 11c194713d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しりお | 作成日時:2022年3月10日 19時

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