お菓子づくり3 ページ34
「光あのね」
「ん?どした」
「今日桃のタルトを作っちゃいました!」
「嘘!?食べる食べる食べる」
椅子から立ち上がらんばかりの勢いで光が食いつく、その様子を見て思わず吹き出してしまった。
タルトを冷蔵庫から取り出し、二人分切り分け皿に盛り付ける。
光がそれを受け取ると、一口が大きすぎるんじゃないかと思うぐらいの量を一度に頬張る。
「どう?」
「すげーうまい!Aも食べてみろよ」
そう言われて自分もタルトを食べると、お店の味とまではいかないがなかなか上出来だ。
「ほんと、自分で言うのもなんだけど結構おいしい!」
「Aは料理もお菓子も本当に作るのうまくなったな、尊敬するわ」
「確かに、昔のバレンタインチョコとかに比べればね」
高校の頃こそそこそこなケーキを焼けるようになったが、まだ幼い頃母に手伝ってもらいながら作ったチョコを思い出した。
ただ溶かしたチョコを型に流し込み、チョコペンやカラースプレーでデコレーションしたチョコレート、父や聖也そして光にも渡した。
父そして聖也や光も喜んでくれたのを覚えている。
光は「こんなの作れるなんてAってすげーな!天才じゃん!」と言ってくれて傍目から見てわかるぐらい上機嫌になったものだ。
光はなんでも私のやることなすことを褒めてくれるのだ。
それが原動力になって頑張れたことも多かったのかなと今になって思う。
「これ食べたから夜からの動画編集も頑張れるわ」
「夜食にも是非どうぞ、でも無理しないでね」
「おう!もりもり食べるわ!」
私もいろいろ頑張らなきゃな、改めてそう思わされた。
「にしてもすごい桃が山盛りだなこのタルト」
「いやね、早めに消費しないとって思ったら盛りすぎちゃって」
「こう、なんだろう、小高い丘みたい」
「ちょっと!変な例え方するのやめてくれない!?」
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シリカ(プロフ) - きゃんさん» ありがとうございます…!遅筆ですがしっかり完結させたいと思っております…!今後もがんばります! (2019年8月25日 20時) (レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
きゃん(プロフ) - 更新待っていました!お忙しいとは思いますが、頑張ってください!楽しみにしています。 (2019年8月25日 5時) (レス) id: 68aae87022 (このIDを非表示/違反報告)
シリカ(プロフ) - もなさん» そう言っていただけてとっても嬉しいです!これからもがんばります…! (2019年7月9日 20時) (レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
もな - シリカさんの文章 とても読みやすくて面白くて大好きです……!ゆっくりと更新を楽しみにしております (2019年7月9日 2時) (レス) id: 23768f9cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シリカ | 作成日時:2019年6月21日 15時