一緒に生活[HIKAKIN]

引っ越しside:光 ページ16

引越し業者がいなくなると、慌ただしい空気は消え去り自分とAだけになった。
Aの荷物が少ないせいか、思った以上に早く引っ越し業者の撤収が早かった。
自分が引っ越した時まではいかないがもう少し時間がかかるだろうと思っていたのに拍子抜けした。
荷解きの手伝いを申し出るとあっさりと断られた、荷解きより体調だと体の心配をしてくれるのはAらしい。
もう少し頼って欲しい気もするがAはいつもそうだ、なんでも自分でやり遂げようとする。
それはわがままを押し通そうとするものではなく、人を気遣い思いやっているからなのを俺は知っている。

まるおともふこのトイレ掃除や餌やりを済ませ、コンビニに向かうことにした。
朝食用のパンとサンドイッチ二人分の昼食と飲み物をカゴに入れ、会計を済ませるとまっすぐに自宅へ戻る。
家に帰って開いたドアから見えるAを見ると、こちらに背を向けダンボールの中身を出してなにやら整理している。

「A」

「…っわ！びっくりした」

慌てて振り向くAがおかしくて自然と笑みが溢れる、コンビニの袋を少し持ち上げてAに見せる。

「コンビニで朝飯と昼食買ってきたから、朝何も食べずに荷解きはしんどいだろ」

ちょっと入っていい？と許可を得て部屋に入りAに袋の中身を見せる。

「わあ…気を使わせた？でもうれしい」

「幼馴染なんだから気でもなんでも使わせろよ、ほら好きなの選んでいいから」

少し恐縮しながらAは、サンドイッチとサラダパスタを選ぶ。
やっぱりそれにするだろうと思って選んできたものだ、自分の予想が当たって少しニヤリとする。

「サンドイッチは今食べな、昼食は冷蔵庫に入れとくからいつでも食べていいから」

「光は？」

「俺もパンは今食べようかな、昼飯は昼になったら食べてそのまま打ち合わせいくよ」

「そっか、せっかくだし光と一緒に食べたいな食べるとき呼んでよ」

「おう、無理すんなよ」

昼食を一緒にとる約束をし、少しの時間だけだが自室で仮眠をとることにした。

コンビニ昼ご飯→←引っ越し

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す