一緒に生活[HIKAKIN]

朝２ ページ14

「…失礼しまーす」

そういえば、今日の朝ごはんなにも考えていなかったと思い冷蔵庫の中身をこっそり見る。
光は基本動画撮影や企画に使うものでなければ自由に使ったり食べたりしていいと聞いているが、まだこの家では新入りの私が冷蔵庫を見るのは抵抗があった。

「うーん…使えそうなのはあんまりないかも…」

冷蔵庫の中はコンビニのお菓子や弁当、健康維持のために飲んでいる乳製品飲料や動画でよく見る辛いと噂の調味料などが入っている。
男の一人暮らしだし、最初からあんまり期待はしていなかったがこれだと自分と光の分の朝食を準備するのは難しそうだ、引越し作業が終わり次第買い物に行くことにしよう。
特にすることもなく、スマホで今日のニュースやSNSのチェックをしているとドアが開き寝起き姿の光がやってきた。
深夜まで作業したのか、目の下にはうっすらクマができている。

「おはよう光」

「おはようA、昨日はよく寝れた？」

「うん、おかげさまで！光は夜遅くまで仕事してた？ここ、クマができてる」

自分の目の下を指差すと光はあー、とバツが悪そうに苦笑いする。

「いや、昨日までに編集終わらせたかったんだよね今日昼から打ち合わせもあるしさ」

そういえばカレンダーにはお昼から打ち合わせの予定が入っていた、私の引っ越し作業に立ち会うために仕事を早めに終わらせてくれたのだろう。

「そっか、あんまり無理しないでね…あ！今日晩ごはん作ろうと思ってるんだけど光の予定はどう？」

「まじで？今日夜には帰ってきてると思う！めっちゃ楽しみにしとこ」

「ふふ、そんなに期待しないでね」

一応一人暮らしが長いこともあって自炊は一通りできる、お店の味とは程遠いが見知った人に出す分には問題ない味だろう。
何を作ろうか考えていると引越し業者が到着した。

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