一緒に生活[HIKAKIN]

撮影見学２ ページ28

「あ、Aおかえり〜面接どうだった？」

ダイニングテーブルに女性と向かい合って座る光がこちらを見て手をひらひらを振る。

「ただいま、ってあれ！光彼女いたっけ！？」

光に今恋人がいるかどうかなんてコンビニで出会った今までまで全く確認していなかった。
てっきりいないと思っていたが、完全に浅はかな考えでここに住み着いてしまったのだろうか。
フリーズして両手にレジ袋を抱えたまま突っ立っていると、女性が立ち上がりこちらに歩み寄る。

「すみません驚かせてしまって、ヒカキンさんから先程お話伺いました、私ヒカキンさんのマネージャー兼アシスタントをやっているものです」

「あ…！なるほど」

そういえば、今日の予定に［家での撮影(仮)］とあったような気がするしっかり失念していた。
よろしくおねがいしますね、と言われ名刺を渡される、慌ててレジ袋をフローリングに置き名刺を受け取る。

「今日はヒカキンさんの動画撮影のアシスタントでお邪魔してるんですよ」

「ほら、冷蔵庫にたくさん桃が入ってたろそれの撮影！いま打ち合わせしてたところ」

「あー」

そういえば数日前から大量の桃が届いて光自身も桃を購入していた、撮影で使うからといわれさすがYouTuberやることのスケールが大きいと感心したのだった。
しかし、打ち合わせと言っていたし邪魔しただろうか。

「打ち合わせ中だったのにお邪魔してごめんね、キッチンでこれ片付けてしまったら部屋にこもるよ」

ただでさえ多忙な光の時間を奪ってはいけないとレジ袋をキッチンに置き、冷蔵庫や常温の食材スペースに購入したものを片付け始める。

「いえいえ、私もいまさっき来たところだったので」

「せっかくなんだからA撮影してるところ見てみる？」

「え…いいの？」

一緒に住んでいるしもちろん昔からの幼馴染ではあるが、純粋にヒカキンのファンでもある私はその夢のような申し出に私はうなずくしかできなかった。

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