帰宅side:光2 ページ21
「ただいま」
玄関に入ると廊下の明かりがついている、いつもは真っ暗が当たり前だが人のいる温かさを感じた。
リビングに入るといい香りが漂っている、この香りはハンバーグだ。
「光、おかえりなさいお仕事お疲れ様」
キッチンで盛り付けをしているAは、帰宅した俺に気づくと嬉しそうに微笑みかけた。
「ただいま、このにおいってまさかハンバーグ?」
「そう!光がいつも食べてるいいハンバーグみたいないい味じゃないかもだけど…頑張って作ってみたよ」
「いや、俺のために幼馴染が夕飯を作ってくれてるってだけでも嬉しいだろ」
冗談交じりに言うと準備するからいろいろ済ませてきてよと言われ、一度寝室に戻り部屋着に着替える。
またリビングに戻るとダイニングにはおいしそうな料理が並んでいた、ハンバーグにサラダコンソメスープそしてご飯。
「うまそう…」
「お口に合うといいんだけど、いただきます」
「いただきます!」
真っ先にハンバーグを口に運ぶと家庭的でどこか懐かしい味がした、世界で一番うまいわけではないけれども自分のために作ってくれたのがなにより嬉しい。
スープやサラダもAなりに健康を気遣って作ってくれたんだろう、レストランで提供されるメニュー通りのものよりも気持ちがこもっているのは間違いない。
「すごいうまい、Aって料理上手になったな」
「そりゃもちろん、自炊してましたから〜」
「サラダもスープもうまいよ、ありがとな」
「ううん、今日は特別ね、毎日手の込んだ料理は出せないかもしれないけれど作れるときは作らせてね」
人と一緒に生活するのは別に初めてなわけじゃない、恋人が泊まったり半同棲みたいなことになったこともある。
しかし、確かに一人と猫2匹の生活がしばらく続いていたからこそ改めて人と一緒に生活する幸福を今ここに感じた。
「あ、そういえばまるおともふこの餌とかってどうしたらいいかな?」
「んー、基本的には健康管理のこととかもあるから俺がしてるけど忙しい時とか頼んでもいい?」
「ほんと?やった!もっとまるおともふこと仲良くなれちゃう」
「本当にAはまるおともふこ好きだよな」
「光よりファンかも…?なーんて嘘だよ」
「ちょっとだけ傷ついたからなそれ!」
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シリカ(プロフ) - きゃんさん» ありがとうございます…!遅筆ですがしっかり完結させたいと思っております…!今後もがんばります! (2019年8月25日 20時) (レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
きゃん(プロフ) - 更新待っていました!お忙しいとは思いますが、頑張ってください!楽しみにしています。 (2019年8月25日 5時) (レス) id: 68aae87022 (このIDを非表示/違反報告)
シリカ(プロフ) - もなさん» そう言っていただけてとっても嬉しいです!これからもがんばります…! (2019年7月9日 20時) (レス) id: 715e177fed (このIDを非表示/違反報告)
もな - シリカさんの文章 とても読みやすくて面白くて大好きです……!ゆっくりと更新を楽しみにしております (2019年7月9日 2時) (レス) id: 23768f9cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シリカ | 作成日時:2019年6月21日 15時