４話 平常運転 ページ5
陽side
ホームルーム終了後、飛鳥は高鷲をおぶり保健室へと向かった。高鷲は立つだけでも結構大変そうだったのにあの質問タイムは何故立てているのか不思議に思うほどだった。
てか、やっぱり飛鳥と高鷲を見ると親子にしか見えない。言ったら高鷲に半殺しにされるけど。
スタスタと冬刻の方に向かうとすでに藤丸さんは他生徒に囲まれていた。
私は冬刻に手をあげると冬刻もにこりと笑った。
「おはよう、冬刻。良い遅刻っぷりだったね」
「おはよう、栄夜。何が良い遅刻っぷりだったねだよ。マジで焦ったんだよ！？あいつボロボロだし、『もう歩けない。無理』って言われたときはリュックを前に背負って水心をおぶらなきゃいけなくなったときはマジで死ぬかと思った」
「しかも、走る」
「走るの遅いのに…高鷲の方が早いのに…」
「まぁ、ドンマイ」
と、死にそうな顔をした冬刻をニヤニヤ笑うと「あのー」っと声がした。声がした方を見ると、藤丸さんがいた。当たり前か。
「取り込み中だったら悪いんだけど。学校の中わからないから案内して欲しいんだけど。冬刻、良いかな？」
「お、いいよ。んじゃあ、栄夜も行こうか」
と、冬刻はこちらを見て来た。かったる。んまぁ、彼女の個性が気になるからついていこう。
「はじめまして、藤丸さん。私は栄夜陽。知る人ぞ知る、中学作家だよ。まぁ、よろしくね」
「えっと、うん。よろしくね陽ちゃん」
「ブッ…クククッ…栄夜が陽ちゃんって…ハハッ」
陽ちゃんと聞いた瞬間、冬刻は大爆笑した。これぞ大草原ってか？ふざけんな。母親には陽ちゃんって呼ばれてんだぞ。というわけで、軽く冬刻をはたいた。「いたい」って聞こえた気がするが気のせいだろう。そう、気のせいだ。
「えっと…陽のほうがいい？」
「いや、どっちでも良いで」
「そっか。じゃあ陽で」
「おけ、私も藤丸で」
と、うずくまってる冬刻を横目にそんな会話をしていた。すると
「高鷲さんふっかーつ！！！」
「はっ早い…」
と、キチッてるチビとくたくたの相方がやって来た。高鷲はルンルンとこちらにやって来ると
「ねね、どっか行こうとしていたの？」
「学校案内してもらおうかと」
「成る程！よし、私らも連れてけ。連れてかないと祟る」
「祟る！？」
「冗談だよ。ね？高鷲？」
「うん。冗談だよ」
と、ケタケタと高鷲は笑った。
「じゃあ、行きますか？」
と、飛鳥は廊下の方を親指でグイグイと指すと
「おう！」と、二人は立ち上がり藤丸も続いて立って廊下に向かった。
５話 藤丸のお弁当が美味しそうな件について→←３話 高鷲はKY
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作者名：白雪の鴉亭 | 作成日時：2018年3月8日 21時
