３話 高鷲はKY ページ4
藤丸side
「高鷲さんね霊感あんの。藤丸さんが入ってきたときから急に視線を感じた。から、藤丸さんの個性かなって」
列から一歩離れ約140cm後半の女の子、高鷲水心がこちらを何か探るような顔で見てきた。
「…そうだよ。私の個性で呼び出した過去の英雄は幽霊になれるの。…あれ？でも、今日はついてこなくて大丈夫だったのになぁ…」
と、最後のフレーズはポツリと呟く程度だった。のに、高鷲さんの隣にいたつり目の少女はこちらを見て
「ふーん。その、英雄さん方は過保護なのね」
と、にこりと笑った。彼女も視線を感じていたのかな？それとも、高鷲さんが訪ねたのかな？と、色々と思考を回していると
「おけおけ！高鷲さん一個解決！次ね」
と、彼女がウインクをするとこっちをジーと見てきて意味ありげな笑みを浮かべた。なんか、生殺院キアラさんに似ているような…？
１拍間があった。
「彼氏とかいるの？あ、彼女でもいいんだよ？」
ドンガラガッシャーンッ！
彼女の隣にいた、さっきのつり目の子と武東さん、あと、武東さんの前に座っていたベリーショートの女の子、あと何人かが机から落ちた。
「高鷲！KY！空気を読め！シリアスをシリアルに変えるんじゃなーい！！」
と、ベリーショートの子が机をグッと押さえながら上がってきながら叫んだ。その後、つり目の子は
「彼女は百合ってないだろう。個人的な意見で悪いけど」
と、呟いてスカートをはたきながら椅子に座った。
その後も何人かゆっくりと机と椅子を元に戻していた。
「えっと…彼氏とかはいないよ。彼女もいない」
「と、言うことは脈アリだね！」
「高鷲、お前。茶化すのいい加減にしろよ？」
「ウィッス」
キッパリとそう言うと高鷲はいい感じにニコニコしてこちらを見て来た。武東さんがツッコむと「チェ…」っと言うように渋々と彼女の席に座った。一瞬武東さんが「ん？」という顔をしていた。なんか変なことをいったのだろうか…？
「はいはい、それではそろそろ時間なのでおしまいね後は質問とかは休み時間とかにしなさい。あ、藤丸さんは冬刻さんの隣の席ね。冬刻さん手をあげなさい」
「ん」
さっきのつり目の子が手をあげた。彼女が冬刻さんか。と、私は自分の席に座った。
「私、冬刻舞彩。気軽に冬刻って呼んでよ。さっきは水心がごめんね。ああいうやつなんだよ」
「ううん、大丈夫だよ。すこし、ビックリしたけど。よろしくね。冬刻」
「うん、よろしくー。藤丸」
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作者名：白雪の鴉亭 | 作成日時：2018年3月8日 21時
