三 ページ4
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「ぜッ……。はぁ、はあ……」
『ついてこい』と言った後、青年は代金を
当然、私はその後を追ったのだが。
けっこうな距離を全力で走らされて、私は軽い酸欠に陥っていた。
もともと運動が得意な私とはいえ、いくらなんでもキツすぎる。
なんとか呼吸を調えて、辺りを見回す。
ここはどこだ……?
なんてことをぼんやり考えていたら、木刀が飛んできた。
「うわぁ!? あっぶな……何するんですか!」
放り投げられた木刀をなんとか受け取り、私は青年に文句を言う。
見ると、彼は木刀も何も持たずに立っていた。
「どっからでも かかってこい。
……お前に素質があるかどうかァ、今 見て決める。
なかった場合、即刻 帰ってもらうがなァ」
「えっ。で、でも……」
私は木刀で、青年は素手だ。
いくら私が素人とはいえ、怪我をさせたら……。
不安げな私の様子を見て、彼は フン、と小バカにしたように笑った。
「安心しろォ。どうせ俺には、指一本 触れられやしねェよ」
「っ……」
少し、カチンときた。
確かに、貴方は いかにも強そうでヤバそうだけど!
私は 刀を持ったこともないし、まだ十四の女だけども!
「どうしたガキ。やんねえなら帰れェ」
「がっ、ガキじゃないもん!」
子供扱いされるのが昔から嫌いだった私は、その言葉を合図に木刀を振った。
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黒渦クレナ(プロフ) - 春駒さん» あああありがとうございます!(動揺) 嬉しすぎて、文字打つ手が震えます…! 更新頑張りますっ! (2020年3月20日 15時) (レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
春駒(プロフ) - か、神作の予感…!!続き楽しみにしてます!! (2020年3月20日 15時) (レス) id: db12751af0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒渦クレナ | 作成日時:2020年3月19日 21時