六 ページ10
明日が楽しみで、本当に楽しみで仕方がない。
ああ、待ち遠しい。
単純に彼と会うのが楽しみなのもあるが、実はもう1つ、理由がある。
正直、私はもう 仲間の傷ついた姿や、ましてや死体なんて、見たくないのだ。
私は隠だから、鬼殺隊士が戦った後、事後処理の仕事をしている。
そうすると、ほぼ毎回、誰かの死体を見ることになるし、怪我人の手当てをしないときなんかはないのである。
これがまた、どの隊士も酷い怪我で……。
怪我の手当てには やっと耐性がついてきたが、死体を見るのは 今でもかなり堪える。
一般人として普通に生活した方がずっと負担が軽いのに、なおも私が隠を続ける理由は、記憶を取り戻したいから、……あと、時透くんに会ってみたいからだ。
それさえ出来たら、後は転職して普通に生きるつもりでいる。
．
．
朝日が昇ると同時に、藤の花の家紋の家を出、景信山を目指して駆け出した。
そして、太陽が最も高い所に位置する頃、私はそこに着いた。
……ここまでは、全て予定通り。
ここからは、ええっと……とりあえず、人家を探してみるか。
そう考えて、辺りを歩き回ること、早 数時間。
やっと、家が1つ見つかった。
……だがしかし。
明らかに、様子が――空気がおかしい。
この世界で2年過ごした私の、“勘”とでも言うのだろうか。
とにかく、嫌な感じがした。
――次の瞬間、それは確信に変わる。
「この匂い……っ」
腐ったような、血の香り。
嫌と言うほど嗅いできたその匂いが、私の鼻を刺激した。
思わず駆け出したとき、その家の近くに、故意的に刺したであろう 木の杭や鎌などが、密集して突き立っているのが見えた。
まるで、何かを
．
戸は 開けっ放しだった。
そこから中を覗いて見えたものに、私は顔から血の気が引いていくのを覚えた。
「大丈夫ですか！？」
どう見ても大丈夫じゃないのに、そんな言葉が口をついて出る。
私と近い年齢だと思われる少年が2人、その家の中で うつ伏せに倒れていた。
急いで脈を確認すると、……2人のうち1人は、すでに それがないとわかり、キリリと胸が痛む。
一刻も早く応急処置をっ……いや、その前に、傷口を洗わなきゃ。
そう思って、家に置いてあった桶を持って 外に飛び出したとき、危うく、誰かとぶつかりそうになった。
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黒渦クレナ(プロフ) - 時桜ミクさん» ありがとうございます！ 嬉しいです！ 文字打つの遅いですが、頑張ります！ (2020年3月8日 13時) (
レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
時桜ミク - 続き楽しみです！頑張ってください！読みます！ (2020年3月8日 10時) (レス) id: 0faa6f99b8 (このIDを非表示/違反報告)
黒渦クレナ(プロフ) - 眞由さん» ありがとうございます！ まさか、わかってくださる方がいらっしゃるとは…！ すごく嬉しいです(泣)。更新 頑張ります！ (2020年3月7日 22時) (レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
眞由 - とても続きが気になります。夢主ちゃんの気持ちがとても分かります。更新頑張ってください。 (2020年3月7日 21時) (レス) id: 9566cb15d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒渦クレナ | 作成日時：2020年3月7日 21時
