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大急ぎで 休みの許可をもらって来て、それから出かける支度をした。
この2年、さんざん鍛えたおかげで、私は足が速くなり、体力も、並みの鬼殺隊士には負けないほどになったのだ。
ちなみに、なぜ 私は隊士ではなく隠になったのかと言うと、……単純に、鬼と戦うのが怖いからである。
……いや、だって怖いじゃないか！
包丁よりも危険な物を持ったことがないのに、刀で鬼と戦うなんて、……私には無理だ。
両親を殺された恨みが ないわけではない。むしろある。
……でも、自分が死んだつもり(実際そうだが) でいるから、どちらかと言えば、鬼よりも不注意だった自分の方が、あの頃は恨めしかった。
――トントン。
と、四畳半の自室の 戸を、誰かが叩く。
「はーい、」と言って戸を開けると、そこには 私に鬼殺隊に関する知識を与えてくれた隠の先輩が立っていた。
「お前、休みをもらったんだってな。例の……何だっけ？ あの人に会いに行くのか？」
「はい。……出身地はわかる って、私、前に言ったじゃないですか。それで 今日、それなら会いに行けるって気付いたんです」
先輩には、隠になってから、私が転生者であることを伝えたのだ。
信じてくれるとは思ってなかったけど、初めて話したときの私の言動が不可解すぎて、信じざるを得なかったらしい。
「これ、持ってけ」
そう言い、先輩は お守り袋を手渡してきた。
「……何ですか？ これ」
受け取ってから問う。
「藤の花の匂袋だ。鬼よけになるから、行くときは絶対に持ってけ」
真剣な眼差し。
……先輩は、妹を鬼に殺された過去があると、他の隠から聞いたことがある。
「はいっ。ありがとうございます！」
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先輩がくれたお守りを懐に入れ、必要最低限の荷物を風呂敷で包み、私は景信山に向かった。
会えば、すぐわかるかな。
……わからなくても、名前を
そんなことを考えながら、走る。走る。
時折、地図で場所を確認して、迷わないように慎重に、かつ 出来るだけ急いで。
そうしていると、あっという間に日が暮れた。
夜は鬼が出るので、移動することはできない。
幸運にも、藤の花の家紋の家を見つけられた。
私が鬼狩りではないことは承知の上で、そこの人は私を泊めてくれた。
ことは順調に進んでいて、この調子だと、明日の昼には 景信山に着くだろう。
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黒渦クレナ(プロフ) - 時桜ミクさん» ありがとうございます！ 嬉しいです！ 文字打つの遅いですが、頑張ります！ (2020年3月8日 13時) (
レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
時桜ミク - 続き楽しみです！頑張ってください！読みます！ (2020年3月8日 10時) (レス) id: 0faa6f99b8 (このIDを非表示/違反報告)
黒渦クレナ(プロフ) - 眞由さん» ありがとうございます！ まさか、わかってくださる方がいらっしゃるとは…！ すごく嬉しいです(泣)。更新 頑張ります！ (2020年3月7日 22時) (レス) id: 232aa570e5 (このIDを非表示/違反報告)
眞由 - とても続きが気になります。夢主ちゃんの気持ちがとても分かります。更新頑張ってください。 (2020年3月7日 21時) (レス) id: 9566cb15d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒渦クレナ | 作成日時：2020年3月7日 21時
