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「そういえば、次の夜会にA様は出席なさいますよね？」
ふと触れられた話に、私は頷く。いつもはひらりと交わしてきたのに、今回に限って父様が跳ね除けられなかったんですもの。招待状。
「受け取ってしまったのでやむおえず」
「最近、表に出てくることがない伯爵家の美しい令嬢姉妹がやっと出てくるって、もっぱらの噂ですよ」
騎士団で、と木々が薄笑いで付け足す。そんな所でも噂になるって、どれだけの事なのよ。
「流石、お貴族様は話が早いわね」
「A様の姉君が結婚なされてから、二人揃って出席することも少なかったですからね、もしかしたら縁談も決まるんじゃないですか？」
その麗しい声で饒舌に語らないでちょうだい。余計に自己嫌悪に沈みそう。私がそんなにも表に出たくない理由。それは、たった一つのあることだった。
「やめてよ、私結婚なんてまだしたくないわ」
商会の有利になる人だったら結婚してもいいけれど、せめて私が市井で社会勉強していると言ってもひかないで受け止めてくれることが前提だわ。
「居ないのですか？ お慕いしている方とか」
「……木々じゃダメかしら」
「申し訳ございません」
「はぁ、一応、友人として楽しい方ならいるのよ？ カード、ボードゲーム、一時間ほど世間話したり、少しお散歩したりする程度の仲なのだけれど」
「相当では」
「……まあ、ただ木々は知ってるいるでしょう？ 私のお勤め先」
「例の喫茶店ですよね？」
「あそこでは身分を伏せているから、そういう付き合いは楽しめても、私情を挟むにはちょっと拗れる場所なのよ」
貴族同士の付き合いを隠すからこそ、私情を挟めば面倒なことになってしまう。
「だけれど、あそこであそ……働いているだけでも私幸せなの、だからそれ以上は望むつもりは無いわ、それに慕っていると言うよりかは弟みたいに可愛がっているに近いもの」
今がこんなにも楽しいのだから、それ以上を望むつもりは無い。
ただ、この幸せが当たり前に続くものでは無いと、今の私はわかっていなかった。
いつかの薔薇が、私に切られなかった薔薇が。
どこかでニヤリと笑っていた。
＊＊＊
木々「遊ぶって言いかけて……」
A「しっ」
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黒髪の白雪姫 - 天泣tenkyuさん» 返信ありがとうございます♪(〃^ー^〃)もちろんです！ゆっくり大丈夫です！更新がんばって下さい！( ＾ω＾ ) (2018年2月4日 16時) (
レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
天泣tenkyu(プロフ) - 黒髪の白雪姫さん» コメントをいただけてとてもうれしいです！このとおり更新は遅いですがしっかりと構想を練り完結させたいと思っておりますので最後までよろしくお願いします！ (2018年2月3日 12時) (レス) id: 6a5dbc60dc (このIDを非表示/違反報告)
黒髪の白雪姫 - 初コメです！凄くおもしろいです！更新がんばって下さい！ (2018年2月2日 17時) (レス) id: efdbcf38a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天泣tenkyu | 作成日時：2017年9月18日 6時
