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セットカウント。
1セット目、25-22。2セット目、25-23。
よって、2-0。
大きな歓声とともに、試合終了のホイッスルが鳴る。
羽根沢「すごいっ!!勝ったーー!!」
A「………」
観客や応援に来た学生生徒と同じように、観客席で喜ぶ羽根沢に対し、酷く静かに皆を見据える小野川。
A「………青城とて、1セットも取れないなんてな…」
牛島「当然だ」
息を切らし、汗を額に浮かべる牛島が言う。
決して青城を舐めている訳ではない。
だがそれでも足りないのだ。
A「ハッ…そのスカした面、達者な口、強さを信じることを疑わないそのプライドも…!虫唾が走るほど腹立たしいな…」
牛島「…どう思うかは勝手だが、その強さに偽りはない。事実に対して誇りを持つのは当然だろう?」
A「ただ振りかざしてるだけだろ」
牛島「かざさずとも、見ればわかることだ」
A「その
牛島「折れるものなら折ってみろ」
A「言ったな、お前…?その言葉、覚えとけよ…!!その面拝めるまで私は見ているからな」
試合直後にも関わらず、これでもかと言わんばかりの毒を吐く小野川。
これには流石の皆も牛島と小野川を引き剥がす。
大平「ほらほら、そこまでにしなさいな」
瀬見「お前も懲りねぇよな…」
A「チッ…」
___春高まで、あと約2ヶ月。
バレーができない私ができることなんて、精々これくらいだってわかってるし、たかが知れてる。
…けど、諦めてなんかやらない。
淀んだ空気を知らないお前に、ガスの空気を。
前しか見ないお前に、後ろから這い寄る恐怖を。
信じて疑わないお前に、疑いの疑問符を。
勝利に麻痺して忘れたお前の舌に、涙の味を。
A「やっぱお前は嫌いだ、牛島」
どうしてお前はそんなに、私から遠いのだろうな。
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氷水(プロフ) - 小桜さん» 小桜さん、コメントありがとうございます〜!遅くなりすいません、番外編のですね!あれは、それぞれなんやかんや繋がりや関係があることや、ちょっと夢小説として定番なことをしたかったのであのような形になりました(笑)今でも見てくれるの有難いです!! (2023年2月24日 5時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 小野川さん、めちゃくちゃ借りられてる(笑) (2023年1月23日 19時) (レス) @page49 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
氷水(プロフ) - 凪さん» わーーーっ!!凪さん、ご指摘ありがとうございます…未だに間違えるとはお恥ずかしい…!五色のパワーに引っ張られちゃいまして…(笑)直しておきました!また、作品の方もしっかり読んでいただき嬉しいです…!まったりですが頑張ります〜! (2022年7月10日 5時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 体育祭3の冒頭です!天童さんのセリフだったと思います! (2022年7月6日 22時) (レス) @page41 id: 704b912d25 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - コメント失礼します!冒頭の五色の名前が工じゃなくて力になってました!細かくてすみません…一応と思いまして!作品とても楽しく読ませてもらっています! (2022年7月6日 22時) (レス) @page41 id: 704b912d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷水 | 作成日時:2020年3月6日 2時