暗黒大陸に住んでますがナニカ？(下) (ページ7)

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嘆きと怒りページ7

レスターと別れて直ぐに、遺跡に向かっていただろう人間達と遭遇した私。

問答無用とばかりに襲われたので応戦したが…いったい、何だったんだ。

能力を解除すると共に握っていた鎌を宙へと手放せば影も形も無く消えた。

私は知らなかった。
人間達は私が宝を守る怪物だと勘違いしていた事を。

地味に熟練者達ばかりの人間だったために、思ったより時間を取られていたらしい。
真上にあった筈の太陽が、少し傾いていた。

『早く見付けなきゃ…』

あの子は、今…何処にいるんだ…

そう、思った時だった。

「ギュガァアアアアアアアアｯ！！！！」

『⁈、レスター？』

遠くから僅かに、レスターの鳴き声が聞こえた。
明らかに怒っている、そんな声色で。

何があったのかは分からないが、急がなければならない。

そう考えながらレスターが向かった方へと方向転換し、全力で蹴り上げるように地を駆けた。

来ると思っていた痛みがこなくて、閉じていた目を開けて……唖然とした。

すっかり土と血で汚れてしまった毛並み
地面を踏み締める大きな手足

「…、ぁ？…レス、ター？」

レスターが、俺を包むように立っていた。

「…ギュル…、ル…」

いつもは澄んだ金色の瞳は、燻みがかったようで

鳴き声も、聞いたことないくらい力が無くて

ふと、レスターの胸元を見れば…鈍色の刃が生えていた。

そこから、ドクドクと赤が溢れていて…

理解して、震えた。

「ぁ、ぁ…嫌だ…レスター…ｯ、なんで、なにしてんだよ、お前…っ」

何で…俺なんか庇ってんだよ！！

どうして、

そう口にする前に、レスターは崩れ落ちるように倒れて……

今度こそ、動かなくなった。