暗黒大陸に住んでますがナニカ？(下) (ページ3)

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② ページ3

『レスター、ザックの臭いを探れ！別れて探すぞ！！』

「ギュルルー！」

隅々まで遺跡を探し尽くしたが、ザックを見付けることは出来なかった私はレスターを呼び戻して外を探すことにした。

何度も頭を下げるブリオンには遺跡で待ってるように言った。
もしかしたら入れ違いで戻ってくる可能性も、0じゃないからな…

レスターは鼻で探し。
私は円を拡げ、ザックらしきオーラを探す。

そうして、それぞれ別の方向へと駆け出した。

念を覚えていないザックのオーラは垂れ流しだ。
つまり、ただの子供と同じ。

例え、鍛えたことで最近は動きが良くなったといえども…能力者でさえ簡単に死んでいくこの大陸では、生き残る事は難しい。

あの子が、これまでこの大陸に居ながら無事だったのは…私かレスターが側に居たから。

正に虎の威を借るなんとやら…な状態だった訳だ。

そんなザック(カモ)が、ノコノコと一人になっていたら？

『くそっ…』

ギリｯ…
無意識に奥歯を噛み締める。

頼む、頼むから…

生きていてくれ

ザック…っ！！！

「…あ？ラビ？」

呼ばれたような気がして、周りをキョロキョロと見渡す。

しかし当然ながら見えるのは草木ばかり。

居るかもしれない、と思った人物の姿は何処にも無かった。

「…ちっ、気のせいか」

もし居たなら、さっさと渡して一緒に帰れたのに。

掌をそっと開いて、包むようにして持っていたソレがコロリと現れる。
ソレはキラキラと木漏れ日の光を反射して輝いていた。

血のように真っ赤、透明の石。

ラビの目みてーな、赤い石。

ブリオンが渡してきた本は、大切な誰かへ日頃の感謝の気持ちを伝える方法とやらが色々載ってるやつだった。

誕生日、お祝い、労い、記念日…

パラパラと捲っていって目に付いたのは

大好きな誰かへ贈り物をする。というページ。

本の中に描かれた人？らしき図形はとても幸せそうな様子で描かれていた。