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そして'私達は同時に'駆け出した。
ギャギリィｯ！！
金属同士とはとても思えない鋭い音が響き、余波で草が根から舞い散り小石が吹き飛んだ。
砂が入ったのか一瞬目を閉じた男の隙を突くように、ラビがその横腹に蹴りを叩き込もうとしたが…それに直前で気付いた男が逆に刃を滑らせ鍔迫り合いから脱し、その脚を斬り落とそうとした。
ラビは咄嗟に軌道を変えて地面に蹴りを叩き込み、男の足場を揺らす。
地震のような揺れ。地面には無数の罅が走り、根を巻き込まれたのだろう木々が幾つか倒壊していった。
足元が揺れたことで僅かにたたらを踏んだ男。
その脚を地面を蹴った体制のまま払ったラビは手首を唸らせ鎌を振るう。
ザクリ、男の太腿に一閃が入った。
「ぐぅｯ…！」
片腕に加え、更に片脚まで負傷した男。
これで、圧倒的にラビが有利となった。
そのまま、体制を崩しかけた男に怒涛の勢いで蹴りを加えていく。
肩、腰、腕、腹、脚…
見る間に男はボロボロになっていった。
そして最後に顎を蹴り抜くと、男は高く高く飛ばされて…それを追ってラビもまた飛び上がり、そこから踵落としを一発。
男はラビの全体重を乗せたソレも合わせて、轟音と共に地面に勢いよく叩き付けられた。
「ガッ、ハァッ！！」
ゴバッと血を吐き出す男。
重力により自分の血を浴びて尚、男の目はギラギラとした暗い輝きを失っていなかった。
ゆらり、と幽鬼の如く立ち上がる。
「あ"ー…ベッ…、口ん中まっじぃーな、クソｯ」
『なら味が分からぬよう、その舌を斬り落としてやろうか？』
「そりゃノーセンキューだわ」
『サービスだ、遠慮するな』
ヒュオッ、
風切り音と共にラビの鎌がノーモーションから振るわれた。
間一髪回避した男は避け際にナイフを撫でるように滑らせて…
ザリッ、
白い髪が数本、持っていかれた。
「ラビ！」
『大丈夫だ、そのまま下がっていろ』
散った髪を見てか、思わずというようにザックが声を上げる。
よく見れば肌も斬れていたらしく、ラビの頬には少量の血が垂れていた…
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作者名：白玉餅 | 作成日時：2018年5月24日 18時
