【今日から俺は】月川の妹は開久の... (ページ32)

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三)どんだけ強ぇ力で握ったんだよ...

貴)...

見ず知らずの人間に連れていかれそうになって相当怖かったのだろう
珍しく相良の腕を振りほどいて智司の後ろに小走りで戻った

三)嫌われてやんの

相)あぁ？

相良は少しニヤけた三橋と智司の後ろで自分を睨みつけているAの視線を感じキレかけたが
智司にどうせ止められるとキレるのだけは我慢をした
が少しぐらい嫌味でも言わないと気が済まないと少し笑いながら智司を茶化した

相)...まぁ、うちの頭は今朝うちのが世話になったのとだーいじなお嬢が被害に遭いかけたっつーのもあって譲れねぇのよ

智)余計な事言うな
開久がなめられてちゃあ示しがつかねぇ
だから三橋、伊藤
俺らもお前らに譲る気はねぇ

智司がそう言うと追い打ちをかけるように相良がガンをつけた

相良も先程は少し茶化したが開久が馬鹿にされた事実に苛立ちは隠せず

相)譲らねぇならテメェら二人ここで立てねぇようにしてやろうかぁ？

智)待て相良

智司が止めに入ったがいよいよ喧嘩になる雰囲気になりAは不安そうに智司の顔を見たが

三)お譲りしまぁす！！！

三橋が勢いよく頭を下げた

伊)三橋テメェ...

智)取りあえず今回は開久の面子がかかってる
テメェらぜってぇ手ぇ出すんじゃねえぞ

三)はい！よろしくお願いしまぁす！！

三橋が何度もペコペコと頭を下げる

それを見て戸惑うA

智)行くぞ

相)チッ...

智司の号令で開久生達は退散した

智)...

貴)智司...？

智)...

貴)あの.....ごめんなさい...
不甲斐なくて...
...うっ...

Aがそこまで言うと智司が止まり智司の背中にAは顔をぶつけた

智司は振り返らず低い声で言った

智)俺はなぁ...女に、しかも開久の生徒に手あげたやつが許せねぇだけだ

Aは静かに怒っている智司を見て
「ああ、彼はきっと女子生徒が自分じゃなくてもこうして怒るのだろう」と決して自分は智司にとって特別なものでも何でもないのだと改めて実感した

貴)...そっか.....
でも...ありがとう...怒ってくれて...
兄さんには心配されたこと無いから...嬉しかった...

相)チッ...

Aは智司に礼を言うと少し嬉しそうに隣に並んで歩いた

後ろでもう一人Aを庇おうとした人物が悔しそうに舌打ちをしたのを知らずに