【今日から俺は】月川の妹は開久の... (ページ12)

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その日は智司が養護教諭にAを任せ何事も無く終わったが

また翌日面倒な事が

朝誰より早く教室に着いたA

朝から兄に殴られ蹴られを繰り返され顔にも体にも擦り傷や腫れがあり兄の前では落ち着いて泣くことさえも出来ないと適当に手当をして一番乗りで教室で泣いていた

暫くして涙も収まり持ってきていた湿布とコンビニで買った氷を痛みのあるところに当てる

口の端は切れあまり口が開けない

右目は痛みのせいで半開きにしかなからない

大人しくもはや意味をなさないホームルームの時間まで1人待ち続けた

相)お～
一番乗りかぁ
随分優等生さんのようで

一番最初に入って来たのは下っ端を何人も連れた相良だった

昨日は相良に異論の声を上げたAだったが正直今はそんな事はどうでもいい

そう思って答えないでいると下っ端の何人かがAの周りに集まってきた

下っ端1)おはようございますぐらい言えんだろ～？

下っ端2)女だからって調子のんなや

相変わらず髪で顔が隠れているAを弄ってやろうと意地悪く相良がニヤついていたが

次の瞬間智司がまた何人かの下っ端を連れて入って来た

智)おい、相良
また余計な事してんのか

相)余計な事とは失礼だなぁ智司
俺ぁコイツを開久流に歓迎してやってるだけだぜ？

智)下らねぇ事してんじゃねぇ

智司が呆れた様子を見せるも全く気にも留めていない楽しそうな相良

智)おいお前、昨日はどうだったんだ

貴).....

智)テメェもここでやってくなら少しは話せるようにしろ
目付けられんぞ

貴)...

何を言っても何も答えないAを見て他のメンバーは怪訝な顔をしたが智司と相良は違った

Aが手に持っている氷の入った袋と髪の間から見える湿布に目が留まり智司は昨日のごとくAが自ら顔を上げることを待ったが相良は無理やりAの髪を少し掻き分けようとした

当然そんな事されればAも拒絶し相良の手を払おうとした

だがどんなに払っても掻き分けようと手が伸びてくる

何もしない、と言うよりAからしてみれば何もしないでいてくれている智司しかまともな人間はここにはいないと思い
智司に救いの目を向け顔を上げた

再びAの顔をしっかり見た智司

しかしその顔は昨日とは違い

頬には涙の跡

口は切れて血が滲み

頬や目は腫れている

髪の間から見える垂れ下がった眉

悲しそうに震えながらも必死に智司を見る三白眼