【w.r.w.r.d.!】Mi sta cercando (ページ16)

今日:5 hit、昨日:4 hit、合計:24,528 hit

▽ ページ16

「先輩」

「あ、ショッピ君だ。どうしたの？」

「A先輩に用があって…。こっちに来てもらえませんか」

A先輩の後ろ姿を発見した俺はゆっくりと背後に近づき、とんとんと彼女の華奢な肩を叩く。すると先輩はキョトンとした顔で振り向き、俺を認識した途端にぱあっと笑顔になった。

嗚呼、先輩は本当に可愛いし、愛らしい。

そんな先輩を連れ出すためにこっちですよと手招きすれば顔を傾げながら着いてきてくれる。
本当に何もわかってないんすね、先輩。こういうのは警戒しといた方が良いのに。そんなことを言えば計画が崩れてしまう可能性が出てくるから言わないけれど。

とある部屋に入り、部屋の電気をつけたあと、不思議そうな顔をしている先輩に部屋に入るように勧めれば彼女はおずおずと中に入っていく。俺は廊下に誰もいないことを確認してから扉を閉め、鍵をゆっくりと閉めた。

「で、どうしたの、ショッピ君」

先輩はちょこんとソファに座っている。俺はその正面にあった椅子に腰掛けた。
俺が椅子に座った直後、早速先輩が本題を聞いてくる。これも予想済みの展開だ。

ふぅ、と一つ俺は溜息をつく。ここでうまく立ち回ればこの計画は成功する。いかにどう本当にあったかのように彼女に伝えることができるか。それが今回の計画成功の鍵となる。だからヘマはやらかすなよ、俺。ここで失敗すれば、先輩を手に入れることなど一生できなくなる。

「いや、A先輩ゾムさんのこと好きって言うてたじゃないっすか。……そのことなんすけど」

俺は先輩が手に入るのならなんだってする。

さぁ、彼女に苦くて甘い、嘘を吐こう。