snow drop【降谷零】

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その顔はしてやったとでも言うように目は笑っていて口は怪しくカーブを描いている


｢えっと…いつから｣


降谷さんは悪戯っ子の様な笑みを浮かべて｢最初から｣と言った

……最初からって…

全部聞かれてるってことですよね…！？



｢あの……忘れてください｣

あはは、と乾いた笑みを浮かべながら必死に願う




降谷｢あんな可愛いこと聞かせといて、忘れるわけないだろ｣



本当に全部聞かれてたのか……

最悪最悪最悪最悪最悪！！

何だったらずっと寝てればいいのにこの人


降谷｢それに…｣


ぐっと顔を近づけてくる降谷さん


｢え、ちょ、降谷さん？｣




降谷｢プリンセスとプリンスは結ばれるんだよな？｣





耳元で囁かれた

耳にかかる吐息

クラっとしてしまいそうな甘い声



…なるほどこうやって女の子を堕としてるんだ




｢降谷さん、ハニートラップ上手いですね｣




こんな時でも割と冷静でいられる自分が怖い

降谷さんはそれを聞いて顔を離した



降谷｢これが嘘だと？｣

いやそうでしょ

それ以外なくないですか？？

というかまず私ハニートラップ以外で恋したことないし




｢"公安に恋愛は必要ない”と思ってるんです｣




仕事に支障がきたす

そう上から教えられた

それにちゃんとした恋愛なんてしたことないから分かんない…し。




降谷｢俺が教えてやる｣




なんか呟いてた気がしてたけどなんて言ってたんだろ


｢…えーと？｣


降谷さんはいつもの顔に戻って歩き始めた


降谷｢帰るぞ｣

｢あ、はい｣




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