微笑み返しただけなのに。2【鬼滅の刃】

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変な時間に寝てしまったせいで、夜は寝ることはできなかった。


隣のベッドには竈門くんが寝ている。



何をするにしても、ここでは何もしたくない。


天体観測にでも行こう、と小さくため息をついて部屋を出た。


−−−


屋上菜園がされていて、綺麗に整備されている＿＿そんな屋上には誰も居なかった。


雲はひとつも無くて、すごく綺麗に星が見えた。


心は曇っていても、空が綺麗なんて、なんて酷いのだろう。


望遠鏡を組み立て、覗きこんだ。


『あ…見えない』


正直言って、こういうのは苦手だ。


説明書を袋から取りだし、スマホのライトを使いながら読んでいく。


一からていねいに、頑張って調整をしていく。



そして、再び覗きこんだ。



『…おー』



綺麗に星が見える。




月も綺麗。




月から連想して、いま弾きたい曲がドビュッシーの月の光だな、と思い、



スマホのミュージックアプリを立ち上げて、クラシック音楽から月の光を選択した。



イヤホンをポケットから取り出して差し込み、耳にはめた。



自分の世界に入り込める。



星を眺め、曲を聴いていると、心が不思議と落ち着いてきた。




『酷いこと言っちゃったな…』



誰しも、人の気持ちなんてそう簡単には分からない。



いや、分かられてたまるか。




私ってホントに、馬鹿だな。



磨り減って傷付いた心に、耳から聴こえる月の光が痛いほど染み入った。



その場に体育座りになって、膝に顔を埋めたとき。



屋上の扉が開く音がした。

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