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お風呂からあがって、部屋に戻るべく扉を開けた。


『…涼し』


「あがったのか…って、髪乾かさないのか!?」


『え?』


いつも乾かすのは面倒くさくて、していない。


それをするくらいなら、もう寝たいくらいなのだ。


『めんどくさいから…』


「乾かさないと駄目だろう、女の子なんだから」


『別に、気にしないよ。いつもこうだから』


「ドライヤーあるかな…」


『話聞いてた?』


椅子にちょこんと腰かけ、髪に触れた。

髪の質が悪いと思う。


と、ぶわっと後ろから暖かい風が吹いた。


『うわ…っ』


「熱かったら言ってくれ」


『…うん』


別にいいよ、と言おうとして口を開け、しかし口を閉じた。


懐かしさがあったから。


…小さい頃、優しかったころのお母さんに、乾かしてもらったな。


手つきも、こんな感じだった気がする。


だったら、竈門くんは一体どうしてこんなに髪を乾かすのが上手なのだろうか。


思い当たるとすれば…


『…兄弟が居るからか』


「えっ、何がだ?」


声に出ていた。


どうして連想させたのかは、兄弟がいるから、で結論にしておこう。


『えっと…髪を乾かしてくれるの、私のお母さんに似てたから。』


「お母さん…優しかったんだな」


『…うん、優しかった。お父さんとお母さんも、仲がずっと良かった…』


唐突に、色褪せた思い出がよみがえった。


「…そうなのか」


『うん…』


ドライヤーの風の暖かさが、すごく心地よかった。


そして、少ししてドライヤーの風と音が止んだ。



『…ありがとう、竈門くん』



振り返って、小さく笑った。

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琴音 - めっちゃくっちゃ、キュンキュンしました。ありがとうございました🙇 (2022年2月17日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - しろみぃさん» ねー、しょうがないじゃんそんなの。不可抗力でしょwニヤニヤが止まらないのは。だって想像しちゃうんだもん(笑) (2021年3月20日 21時) (レス) id: a0ad16ec48 (このIDを非表示/違反報告)
しろみぃ(プロフ) - 澪凪さん» わたしも同じですw言われましたw (2021年3月20日 19時) (レス) id: 02d7799d85 (このIDを非表示/違反報告)
澪凪(プロフ) - しろみぃ*さん» wwwにやけすぎて親に気持ち悪いって言われたこの前((酷い (2021年3月17日 7時) (レス) id: a0ad16ec48 (このIDを非表示/違反報告)
しろみぃ* - 澪凪さん» 二回目なんですよレスし忘れちゃうの←(学習能力0)素顔の宇髄さん!イケメンですよね!!いやいつももイケメンですけども!!アニメ楽しみだな、にやけが止まらない(((殴 (2021年3月16日 21時) (レス) id: 1d293d9dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろみぃ* | 作成日時:2020年11月13日 20時

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