【wrwrd】暗殺者の名にかけて。

キライ、キライ。 ページ37

初めての戦争に、胸が高鳴る。

国王様から言われた作戦は、私が真先に城の中へ入り、それをアンネ中佐率いる特攻部隊が守るというものだった。

相棒である二本のナイフに目をやり、前を向く。

目の前には大きな城がそびえ立っていた。

ふぅー、と息を吐く。

インカムから声が聞こえる。

「宣戦布告完了。直ちに攻撃を開始せよ。」

思い切り足に力を入れ走り出す。

前を向いた時、一つ不自然な点があった。

何故私の前に人がいる？

一番最初に城に攻め込むのは私のはずだ。

私の前に人はいてはいけない。

じゃあ何故。

an『かかれ！』

皆で私を殺すため。

どうしよう。

このままでは私は死んでしまう。

・・・味方討ちなんて許されることじゃないのはわかってる。

でも自己の身を守るのは当たり前でしょ？

剣を振り上げ近づいてきた兵士の首をナイフで切った。

こちらに赤い液体が飛んでくる。

肉を引き裂く感覚。

なんとも言えない手応え。

兵士の悲鳴。

・・・人を殺すのって、なんて楽しいんだろう。

人はそこらの動物よりずっと生にしがみつく。

死にたくないと暴れる者を捕まえて切りつけるのも、すごく快感だった。

もっと、もっと。

もっと、人を殺したい。

もっと、血が見たい。

もっと、悲鳴が聞きたい。

それだけを思って、視界に入った者全てを殺す。

同情なんてしないよ。

私が幸せならそれでいいもの。

はい、あっという間に人殺しマシーンの完成。

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