19人目 ページ20
彼女はいきなり総統室に呼び出された。
俺何かしたっけと思いながら彼女は恐る恐るドアをノックする。
gr『入っていいゾ』
耳に入るバリトンボイス。威圧感のあるそれは、もうすでに緊張していた彼女の体をビクつかせた。
「えーっと、なんの用だ・・・？」
恐る恐る入ってきた彼女を見て、グルッペンは眉をひそめた。
gr『なんだその顔は。俺はそんなに怖いか。』
「ああ。そりゃすごく。」
大きく頷いた彼女を見て、グルッペンはさらに眉をひそめる。
gr『むぅ。なんか悲しいゾ。・・・あ、本題に移るぞ。』
グルッペンはハッとして背筋を伸ばす。
gr『フォック。ここに来たからにはなんらかの部隊に入らなくてはならない。その話だ。』
「部隊？ああ、近距離部隊とかの。」
gr『そうだ。昨日、ブーイングしてきた少尉を模擬対戦で瞬殺したらしいじゃないか。俺が思うに、フォックは暗殺部隊か特攻部隊がいいと考えている。持ち前の冷酷さや反射神経を最大限に活かせると思うんだ。』
「ああ、昨日のはちょっと腹が立ってさ。で、暗殺部隊か特攻部隊か。・・・そうだな。特攻部隊を希望する。」
彼女の言葉に、グルッペンは目を丸くした。
候補としては挙げたが、てっきり暗殺部隊を選ぶと思っていたからである。
gr『！ほう。何故だ？てっきり慣れている暗殺の方を選ぶと思っていたのだが。』
「ああ。そうしたかったんだが、ちょっと心配でな。」
gr『心配？』
「そう。暗殺部隊って、きっと少人数だろ？もし俺が、発作・・・前のようになったら、味方もきっと殺してしまう。音信不通で、帰ってくる頃にはきっと、全員を殺した、もちろんゾムも殺した、記憶のない俺が誰かに運ばれてくる。もしくは死んでる。それは避けたい。そうなったら、特攻部隊の方がいいだろう？」
彼女の理論に、グルッペンはハッとする。
gr『そうだったな。すっかり忘れていた。特攻部隊の方が便利だ。じゃあ、フォックは特攻部隊で。この書類にサインしてくれ。』
グルッペンが一枚の紙を彼女の目の前に差し出す。
『フォック』
丁寧な字でそう書くと、彼女は紙を返す。
サインされたその紙を見て、グルッペンは満足げに頷いた。
gr『よし。明日から、ひとらんのところで訓練してくれ。よろしく。』
彼女は頷き、部屋から出る。
明日から本格的に戦えると思い、彼女は嬉しくなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 151人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
日高ナツメ(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます！！お褒めの言葉をいただきとても嬉しいです。続編・・・が、頑張ります。 (2019年12月14日 16時) (
レス) id: 661788b92d (このIDを非表示/違反報告)
シオン - 完結おめでとうございます とっても面白かったです 続編楽しみにしています 頑張って下さい（・ｗ・） (2019年12月14日 13時) (レス) id: 3a1e97a875 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - 鈴114514号さん» ありがとうございます！了解しました。今書いていますので少々お待ちください！ (2019年11月30日 23時) (レス) id: e00371fa87 (このIDを非表示/違反報告)
鈴114514号 - 楽しく読ませてもらいました！ありがとうございます。 私は4、この後のお話などがやっぱり見たいです！ ナツメさんの都合でよろしいです。てかナツメさんが決めて下さい(( 応援しています！！！(爆音) (2019年11月30日 22時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
日高ナツメ(プロフ) - きららさん» コメントありがとうございます。了解です！ (2019年11月27日 21時) (レス) id: a414d96f78 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
