The change beginning ページ10
月島side
昼休み、1年の教室の前の廊下を歩いていた。
「あ……」
前からその母音字が聞こえて、顔を上げる。
「あれ、確かこの前いた……」
隣の山口がそう言いかけるのを耳に、僕は立ち止まる。
「入学初日から素行最悪で、無理矢理マネージャーやらされてる不良でしょ？」
口角を上げてそう言えば、目の前で立ち止まった金髪は黙って僕を睨んだ。
「そんな下から睨まれても何も怖くないんだけど」と嫌味ったらしく言うと、その子はしばらく睨み続けて、不意に小さく息をはいた。
「ちょっと言いたいこと、あるんだけど」
無表情に近い真顔でそう言う。
僕はしばしば黙って様子を伺ってから、
「先行ってて、山口」
と、声をかける。
「え？ ああ、わかったよツッキー」
僕を見てなにか察したのか空気を読んだのか、山口は一度こっちを振り返って、廊下を進んで行った。
僕らは黙って廊下の窓側の端に寄る。
「……で？ 言いたいことって？」
僕がそう言うと、しばしの沈黙ののち、口を開く。
「私は、お前みたいな奴、嫌いだ」
「は？」と、思わず声が出た。
続きがあるのかと思ったが、なにも言わないのでこっちが口を開く。
「なにが言いたいの？」
僕が問うても、「そのままだけど」としか返ってこなくて、話にならない。
僕はひとつ、ため息をつく。
「僕だって、キミみたいな奴は嫌いだけど。あー！てか、キミのこと好きな人なんていないんじゃない？」
ちょっとからかうつもりだったけど、余計なこと言い過ぎた。
何気無くその子の顔を見ると、顔が辛そうに歪んでいた。
地雷でも踏んだ……？
「……言われなくてもわかってる」
聞き取れないくらい小さな声だった。
僕は思わず眉をひそめる。
その子が窓に視線を移した。
バンッ、バン、とバレーボールの音がした。
僕も思わず窓を見る。
「……ちょっとだけ、あいつらが羨ましいって、思う」
は？ と心の中で呟く。
下の渡り廊下で、日向と菅原さんがレシーブ練習をしていた。
「勝てないと思うよ、お前ら」
「は？ なにそ……」
「負けないと思うよ、あいつら」
微かに笑った気がした。
それからすぐにその子は踵を返して、背を向けた。
ふわっと、金髪が舞った。
「……なにあれ」
バンッ、バン、とボールの音はまだ続いている。
I do not want to go.→←I am knowing
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奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そうだったんですか！ ありがとうございます！ 更新頑張りますねo(*ﾟ▽ﾟ*)o (2014年8月24日 19時) (
レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 奈佑(元夕凪)さん» O華ちゃんに面白いんだって聞いて、即行読ませていただいた所存です!!ｗ次話も読ませてもらってます！ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そう言っていただけると嬉しいです(T ^ T) 私には勿体無い言葉ばかりで……。もっともっと頑張ります！ 更新頑張ります！ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - とっても素敵なお話です!!主人公ちゃんも凄く好きです＞＜文才だけでなく絵まで上手だ何て!!憧れます＞＜ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - コトノハさん» 何回も読み直してくださったなんて、嬉しいです！ ありがとうございます！ 更新頑張ります(*^◯^*) (2014年8月6日 21時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪
| 作成日時：2014年7月10日 21時
