she ページ5
影山side
「……いづらい。なんかあの場所、居心地悪いし」
そりゃそうだろうな。
その不良じみた見た目で、しかも罰でマネージャーやらされている奴なんて、歓迎されるわけがない。
多分そんなこと、本人はわかってる。
「練習すんぞ」
俺はそう言って立ち上がり、日向の首根っこを引っ張って立ち上がらせた。
◇◆◇◆◇
それから次の日の帰り道。
「早朝練?」
たまたま帰りが一緒になった白木がそう聞き返した。
「そ、早朝練。先輩たちが朝練やるまでの間、体育館使っていいんだって」
歩きながら、日向が楽しそうに言う。今朝、体育館だーって、馬鹿騒ぎしてたもんな。
「で、お前もこない?」
「……なんで」
俺はふたりの会話を耳に歩を進める。
「だって、白木たまにコツとか教えてくれるじゃん。あれすっごくわかりやすい!」
日向が笑顔でそう言う。
「……それって影山の教え方はわかりにくいってことじゃん」
「ああ!?」
立ち止って声を上げると、白木はすたすたと歩いて、
「天才は教えるのが下手だって、よくいうじゃん」
と俺の方を見ないで言う。
「……馬鹿にしてんのかほめてんのかどっちだよ」
俺はそう呟いて、再び歩を動かした。
「なーなー。レシーブのときってさー……」と日向が白木に話しかけている。
この2日でわかったこと。
ひとつは、白木には、一緒に帰るような連れがいないこと。
2つ目は、白木はバレーの経験がありそうだってこと。
3つ目は――
「あ、じゃあ俺こっちだから。また明日!」
日向がそう言って自転車にまたがった。俺は「おう」と返し、白木はひらひらと手を振る。
――同中かもしれないってこと。
「お前さ、出身どこ」
歩きながら隣に問う。
「北川第一」
やっぱり。と内心で呟く。が、表面上ではふーんと返事をしておいた。
なんか見たことあるとは思ってた。
でもはっきり思い出せなくて、胸の奥が気持ち悪い。
まあでも、同中だったら、結構すれ違ったりもしてるんだろうし。
無理矢理自分に結論付けて、もう考えないことにした。
Beside that person→←be uncomfortable
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奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そうだったんですか! ありがとうございます! 更新頑張りますねo(*゚▽゚*)o (2014年8月24日 19時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 奈佑(元夕凪)さん» O華ちゃんに面白いんだって聞いて、即行読ませていただいた所存です!!w次話も読ませてもらってます! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そう言っていただけると嬉しいです(T ^ T) 私には勿体無い言葉ばかりで……。もっともっと頑張ります! 更新頑張ります! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - とっても素敵なお話です!!主人公ちゃんも凄く好きです><文才だけでなく絵まで上手だ何て!!憧れます>< (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - コトノハさん» 何回も読み直してくださったなんて、嬉しいです! ありがとうございます! 更新頑張ります(*^◯^*) (2014年8月6日 21時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕凪 | 作成日時:2014年7月10日 21時