Insensitive king ページ33
影山side
「えーこの配列がACDであるからしてー対応するのはー……」
教師の言葉が、右耳から入って左耳から抜けていく。
変わりに頭で再生されるのは、昨日の白木の一連の言動。
あいつはあれから放課後練に戻って来なかったし、今日の朝練にも来なかった。
シャーペンを握ったまま、真っ白なノートに視線を向けながら、考える。
……。
「っそ、わかんねぇ」
思わずそう言ったら、俺の列の通路を徘徊していた教師が、「どこがわからないのかね？」と、ノートを覗き込んできた。
「っわ！ べ、別に大丈夫っす……」
表面ではそう言いながら、そのすきに真っ白なノートをゆっくり教科書で隠す。
教師は首を一度傾げて、もう一度通路を徘徊した。
俺は詰めていた息を吐いた。
……そう言えば俺、なんも知らね。
今更ながらにそのことに気づいた。
というか、別に知らなくてもいいと思っていた。
過去なんて関係無いと、自分は思えるようになったからだ。
でも……あいつはそうじゃないのかもしれない。
なんか、過去にがんじがらめになっている気がする。
あの人は、あの人は知ってんのかな。
そう考えて、ひとつため息をついた。
◆◇◆◇◆◇◆
ガラッと体育館の扉が開いた。
俺は先輩達が来るまで、いつものように自主練をしようと思ってボールカゴを引いていたところだった。
「白木……」
体育館には今、俺しかいない。
「お前、大丈夫なのか？」
『何が』なのか自分でもわからないけど、ボールカゴを押す足を止めてそう問う。
白木は体育館シューズを扉の前で履きながら、顔を上げて言う。
「何が？」
平然とそう言う白木は、普段通りに見えた。
「いや、大丈夫ならいいけど」
俺は首を傾げて、歩を進めて……思い出して振り返る。
「なあ、お前って、妹のこと嫌いなのか？」
白木の、靴紐を結ぶ手が止まった。
硬直した体の、肩を滑る金髪だけが動いた。
俺は首を傾げる。
「白木……？ 聞いて……」
「さっすが早いねー、王様」
月島の声がして、「ああ！？」と思わずそっちに視線を向ける。
「その呼び方やめろっていつも言ってんだろうが！」
月島はすたすたと体育館に入ってきて、鞄を置くために、壁際に向かった。
すれ違いざま、
「ほんっと鈍感ムカつく」
と、ボソリと呟いた。
それが嫌に真剣で、俺は反論のタイミングを失った。
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奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そうだったんですか！ ありがとうございます！ 更新頑張りますねo(*ﾟ▽ﾟ*)o (2014年8月24日 19時) (
レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 奈佑(元夕凪)さん» O華ちゃんに面白いんだって聞いて、即行読ませていただいた所存です!!ｗ次話も読ませてもらってます！ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そう言っていただけると嬉しいです(T ^ T) 私には勿体無い言葉ばかりで……。もっともっと頑張ります！ 更新頑張ります！ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - とっても素敵なお話です!!主人公ちゃんも凄く好きです＞＜文才だけでなく絵まで上手だ何て!!憧れます＞＜ (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - コトノハさん» 何回も読み直してくださったなんて、嬉しいです！ ありがとうございます！ 更新頑張ります(*^◯^*) (2014年8月6日 21時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪
| 作成日時：2014年7月10日 21時
