be uncomfortable ページ4
影山side
「お前、構え方が悪い! こうだ、こう!」
放課後。グラウンドではサッカー部やら何やらがわーわーと練習している。
その隅っこで。俺は日向と二人、ひたすら練習していた。
『俺達と勝負してください!』
昨日ああ言ってしまった以上、引き返すなんてありえない。
負けるのもあり得ない。俺はセッターがいいんだ。
そのためには、
「もっと手加減しろよなー」
こいつを足引っ張らない程度に成長させなきゃなんねえ。
バンっ、と俺はボールを打った。
「うおっ」
日向の腕に当たったボールは、横に飛んでいく。
だから、と口を開きかけたが、「あ、」と日向が声を上げるから、俺も同じ方向に目をやる。
ボールが転がっていった先に、ひとりの女子が。
「昨日の……」
日向がそう言ったが、俺もわかった。なにせあの金髪は目立つ。
そいつは何も言わずにボールを拾って日向に投げて、もうひとつ別のものを、俺と日向にそれぞれ投げた。
危なげなくキャッチしたら、それはペットボトルに入った水だった。天然水のラベル。
俺と日向が不思議そうにそれを眺めていると、「ちょっと休憩したら」と声がかかった。
俺達は顔を見合わせた。
◇◆◇◆◇
「ふーんじゃあ白木は、マネージャーなんだ」
日向が白木を覗き込むようにして話しかけている。
「2週間だけどね」
グラウンドを眺めたまま、白木はそう答える。
なんだか成り行きで、休憩がてら3人で座って会話する形になってしまった。
「なあ、マネージャー無理矢理やらされてる理由って、やっぱその髪?」
日向が無神経に言う。
「髪と、あと化粧もしてるし、ピアスも開けてるし」
平然と白木はそう言う。「痛くないの?」と日向が訊いている。
ほんと、コイツの対応性の高さはなんなんだよ。そう内心で愚痴って、水を一口飲む。
「てかお前らこそ、なんで追い出されてんの」
その言い方に思わず顔が引きつる。
「先輩にでも聞けばいいだろ」
俺はぶっきらぼうにそう言って、もう一言付け加える。
「てかお前いいのかよ。体育館戻んなくて。仮にもマネージャーだろ」
そっぽを向いてそう答えたら、「ホントやな奴だなお前」と日向から講評が返ってくる。が、当の本人からは返ってこない。
気になってそっちに視線をやる。
「……いづらい。なんかあの場所、居心地悪いし」
愚痴る様にソイツは言った。
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奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そうだったんですか! ありがとうございます! 更新頑張りますねo(*゚▽゚*)o (2014年8月24日 19時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - 奈佑(元夕凪)さん» O華ちゃんに面白いんだって聞いて、即行読ませていただいた所存です!!w次話も読ませてもらってます! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - にゃん舞姫さん» そう言っていただけると嬉しいです(T ^ T) 私には勿体無い言葉ばかりで……。もっともっと頑張ります! 更新頑張ります! (2014年8月24日 14時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん舞姫(プロフ) - とっても素敵なお話です!!主人公ちゃんも凄く好きです><文才だけでなく絵まで上手だ何て!!憧れます>< (2014年8月24日 14時) (レス) id: 6917ab7c4b (このIDを非表示/違反報告)
奈佑(元夕凪)(プロフ) - コトノハさん» 何回も読み直してくださったなんて、嬉しいです! ありがとうございます! 更新頑張ります(*^◯^*) (2014年8月6日 21時) (レス) id: 78899c0a0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夕凪 | 作成日時:2014年7月10日 21時